大賞

平成15年度農村アメニティ・コンクール審査会が現地調査を実施??岩手県山形村、愛知県鳳来町、京都府京北町

平成15年度の農村アメニティ・コンクールの最優秀賞候補地区に選定された岩手県山形村、愛知県鳳来町四谷地区、京都府京北町21くろやま塾の3地区に対して、農村アメニティ審査会による現地調査が行われた。農村アメニティ・コンクールは、農山漁村の快適な環境が保全・形成されている優良事例を表彰するもの。

 岩手県山形村(10月21・22日)

石臼による伝統的な豆挽きを体験する祖田審査会長
 山形村は、岩手県の北部に位置した四方を山に囲まれた村であり、わずかな平坦地は、河川沿いに散在してる。審査委員は、ヤマセを逆手にとった「ほうれんそう」生産、「短角牛」の夏山冬里方式の独特の飼養、地域の伝統を保存する「バッタリー村」、女性グループによる「豆ぶ」に代表される郷土食の伝承・発展状況などを調査した。審査会長の祖田修福井県立大学教授は「炭焼きが盛んに行われたり、バッタリー村では地域の様々な生活用具などが保存されるなど、伝統が失われている現在にあって貴重な取り組みである」と話していた。
 
岩手県山形村のサイト

 愛知県鳳来町四谷地区(10月28・29日)

急斜面の棚田を調査する浜委員、武内委員
 四谷地区は、愛知県東部山間地域の鳳来町の北端に位置する山あいの3集落(大代・大林・身平橋)で構成される。審査委員は、平成9年1月に耕作者の有志により組織した鞍掛山麓千枚田保存会の活動、三十三身観音など多くの石仏、地区内農産物等の販売を目的に結成された「千枚田売店」というグル?プの活動等を調査した。審査委員は、「立派な棚田です。大切な遺産として守り続けて欲しい。」と感嘆していた。

愛知県鳳来町のサイト

 京都府京北町21くろやま塾(11月4・5日)

木材を活かした小学校にて子どもたちの話に耳を傾ける加倉井委員、片桐委員、沼田委員、樋口委員
 「21くろやま塾」が活動する京北町山国・黒田地区は、京都市の北に隣接し、北山杉をはじめとする緑豊かな山々に囲まれた典型的な山間地農林業地帯である。審査委員は、郷土をテーマにした歴史探訪や自然観察、さつまいもやそば栽培などの農業体験学習等を子どもたちと共に行っている「21くろやま塾」の活動を調査した。審査会長代理の片桐久雄(財)農政調査委員会理事・事務局長は「地域の大人たちが塾員として子どもたちに様々な体験の場を提供し、そのことで地域が一体となって盛り上がっている状況に感銘を受けた」と話していた。