秀吉は長浜城を得てはじめて城持ちとなり、信長の後継者として天下を取ると、覇者にふさわしい絢爛豪華な城を次々に築いた。

墨俣城(すのまたじょう)

永禄4年(1561)
美濃攻めで一夜で城を完成?

横山城

元亀元年(1570)
城番として一城を預かる

長浜城

天正元年(1573)
今浜を治めるはじめての居城

姫路城

天正8年(1580)
中国攻めのための秀吉の持ち城

山崎城

天正10年(1582)
信長の後がまを勝家と争う

大阪城

天正11年(1583)
「太閤さんのお城」

聚楽第(じゅらくだい)

天正15年(1587)
絢爛豪華、豊臣家の本邸

石垣山城

天正18年(1590)
関東平定を決めた一夜城

名護屋城

天正19年(1591)
朝鮮出兵の前線基地

伏見城

文禄元年(1592)
秀吉隠居のための城

信長の元で一城を得るまで

豊臣秀吉は若い頃、木下藤吉郎の名で尾張(愛知県)の織田信長に仕え、その尾張統一戦から畿内平定戦の中で頭角を現し始めた。部隊を率いて多くの合戦に参加するだけでなく、京都奉行職に抜擢されるなど次第に幅広く活躍の場を与えられてゆくが、当時は未だ城持ちの身分ではなかった。

さて秀吉と城の逸話と言えば、墨俣一夜城の一件が有名である。美濃攻めの際、国境の川を隔てた敵領に前線基地を築くという難題に挑戦した秀古が、あらかじめ加工しておいた木材を筏に組んで川の上流から流し、見事に短期間で城を完成させたというものだ。だがこれは事実か否かで説が分かれている。秀吉と城との関わりを確かな記録から挙げれば、元亀元年(1570)に北近江(滋賀県)浅井氏の小谷城を攻略するため、その直近の横山城を任されたのが最初となるが、それも城主という立場ではなく、城番として城を預かったにすぎない。

浅井氏滅亡後、信長から浅井氏旧領を与えられた秀吉は、琵琶湖に面した今浜の地を長浜と改めると、ここに初めて自らの居城を構えた。これが長浜城である。

ようやく一城の主となった秀吉は、この城で後の加藤清正や石田三成ら直属の家臣団を育成し始めるなど、織田家の有力武将としての足場を固めていった。

運命の転換期

天正5年(1577)、秀吉は信長より中国方面の平定を命じられ、まず播磨(兵庫県)に進んだ。この時、織田方に属した有力武将。小寺孝高(後の黒田孝高)から中国平定の拠点にと姫路城を提供される。秀吉はこの城を改修し、城下も整備して持ち城とした。現代に伝わる名城の原型は、この時期に形造られたものである。

姫路城を拠点にし、但馬・淡路(兵庫県)、因幡・伯者(鳥取県)、美作。備前(岡山県)と侵攻を進めた秀吉は、備中(岡山県)の高松城を包囲していた最中、主君信長が自身の同僚のひとり明智光秀に討たれたとの報に接する。秀吉は信長の仇を討つべく即座に姫路城まで戻ると、蔵の中の食料や財宝を全て家臣たちに分け与えたと伝わる。自ら退路を断ち、兵の士気を高めて光秀との決戦に臨んだ秀吉は、この戦いに勝って織田家臣団の中で発言力を増すことになった。

天下人から晩年

戦後、柴田勝家ら信長旧臣との合議で領地の再分配が行われた結果、長浜城を手放した秀吉は、山城(京都府)に山崎城を築き新たな居城とした。信長旧臣団は秀吉派と勝家派に分かれて対立が始まっており、姫路では畿内の情勢に対応が遅れると判断されたのだ。

天正11年、賤ヶ岳の戦いで柴田勝家を破った秀吉は信長旧臣団の支配を固め、信長の進めた天下統一戦を引き継いで版図を拡大していった。朝廷からは配ぽ太だ囃だ巳の位と豊臣の姓を賜り、事実上の天下人と目されるようになる。摂津(大阪府)に築城を始めていた大阪城、および京に設けた政庁兼邸宅の緊楽第が豊臣政権樹立に伴う秀吉の新たな居城となった。いずれも天下人に相応しく壮大で、派手好みの秀吉の嗜好と桃山文化が反映された絢爛豪華な装飾に彩られていた。大阪城を訪れた地方の大名の中には、その規模に圧倒された者もあったと言う。

同じ頃、秀吉は京伏見の淀城を改修して側室(淀殿)に与えており、持ち城の増加速度からも権勢のほどをうかがうことができる。四国、九州、そして関東以北も制圧した秀吉は、ついに日本全土を統一。関白位を甥の秀次に譲って太閣となり、京に隠居の城として伏見城を築いた。ところが、当初隠居邸の性格が強かった伏見城は、やがて豪壮な「太間の城」へと姿を変えていった。朝鮮出兵や実子秀頼の誕生などにより、秀吉自身の人生設計に変更を余儀なくされたからである。

この朝鮮出兵に際し、ル配(佐賀県)席浄に日本軍渡航拠点として築いた名護屋城が、秀吉の築いた最後の城となった。

秀吉自身も一時この城に在陣したものの、朝鮮での戦況が行き詰まりを見せ始めた頃に自らも健康を損ねるようになり「太間の城」伏見城に戻って床に伏し、そのまま没している。

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