雨水とは、降雪が雨に変わり、水がぬるみ草木の芽が出始めるころ。2月19日頃をいいます。「睦月」は陰暦正月の異称。

2014年の雨水はいつから?

2月19日(水曜日)〜3月5日(水曜日)

雨水の頃の行事やことば

雪解・雪代・雪汁・雪消し水

雪がとける事を「雪解(ゆきげ)」、雪がとけて川に流れ込む水のことを「雪代(ゆきしろ)」といい、同じ雪解け水を「雪汁」ともいいます。とけた水が雪を押し流して消し去る様子を表したのが「雪消し水」といいます。二十四節気の中でも雨水の頃にぴったりの言葉です。

秋財布に春袋

財布によつわる縁起かつぎの一種で、秋は「空き」に通じ、春は「張る」に通じることから、財布を新調するのなら秋ではなく春にしろといかつ語呂合わせのことです。

春霞(はるがすみ)

冬から春になるころ、「霞」が立って遠くが見えにくくなります。この様子を春霞といいます。

ただし、学術的には「霞」という定義はなく、霧と需の範囲内のようです。ちなみに霧は視界が1キロメートル以内で、事はそれ以上のもの。どちらも空気中の水分が冷気で冷え、日に見える微粒子が水滴になることから景色が見えにくくなります。

藍の種まき

日本の着物や、職人が着る作務衣や暖簾、手拭いなどの染め物に欠かせない藍色のもとになるのが藍です。

旧暦2月のこの時季に種まきをし、四月に苗を植え替え、7月に刈り取ります。刈り取ったら直ちに天日干しをして、葉を採ります。この乾燥葉を100日ほど醗酵させることで、藍の染料の「すくも」ができあがります。

藍染めには無地染め、ろうけつ染め、型染め、糸染めなどがあり、本綿や麻をはじめ絹など、天然素材の染色に使われます。

下萌え

下萌えの「下」とは、去年の枯草のこと。春を目前に控え、その枯草に隠れながら、新しい草の芽が生えてくるようすを表す言葉が「下萌え」です。

まだこのころは寒く、雪が残っている地域も多くありますが、植物は春を感じ取って、日に見えないところで着々と春の準備を進めています。新しい生命の誕生と、その力強さを感じることでしょう。

春雪

文字通り、春になってから降る雪のことを「春雪」といいます。

だんだんと暖かい日が多くなり、日差しに春を感じるようになる時期ですが、春を待ちわびる人たちに意地悪をするかのように、雪が降ります。雪が降るとはいっても、気温は真冬に比べるとだいぶ高くなっていますから、都心などではさほど積もることもなく、みぞれ交じりの雪となることが多くなります。地域によっては大雪が降ることもありますので、注意が必要ですね。

桃の節句

桃の節句といえば3月3日、ひな祭りの日。「上巳(じまうし、じょうみ)」と呼ばれる五節句のひとつです。ひな祭りの風習の起源は平安時代にまでさかのぼるといわれています。平安時代、貴族階級の間で自分の代わりに厄災を引き受けさせた紙人形を川に流していたそうです。それがやがて豪華な雛人形を飾り、祝うようになりました。

そして江戸時代に五節句が制定されると、日付は3月3日に固定されます。かつては貴族階級での風習でしたが、市井へと広まり女の子の厄除けと健康祈願の行事として定着していったのです。

ひなあられやひし餅といった桃の節句と関係の深い食べ物もあります。ひなあられは、かつて野外でひな遊びをするため簡単な食事として持っていった、ひし餅を砕いたものがもとになったといわれています。

雨水の頃の旬の食材

山菜

春先の楽しみのひとつに山菜採りがあります。たらのめはタラノキの前年に伸びた枝につく新芽のみを摘み取ります。糖尿病に効果があるとされ、天ぷらのほか、お浸し、和え物に。

蕗の菫は早春に葉が出る前に、地下茎から花茎が伸び出したもの。花が咲く前に採りますが、花が出た物は地下茎同様毒性があるので避けます。細かく刻んで油味噌にからめた蕗の菫味噌には利用可能。ただし、どちらにも重曹や木の灰などを入れた熱湯でのアク抜きは必要です。

辛子菜

辛子菜は中央アジアを原産とするアブラナ科アブラナ属の花で、日本には平安時代ごろに入ってきたといわれています。そのときは「多加菜」と呼ばれていたことから、今でも関西地方では辛子菜のことを高菜」と呼んでいます。日本でよく見られるのは「西洋辛子菜」で、この種子を粉末にして水で練ったものが「からし(和がらし)」です。

わかめ

和布は海苔、昆布と並ぶ日本の三大食用海藻です。海中でゆらゆら揺れる長い葉の部分は二〜三メートルにも及び、岩に回着している部分がメカブと呼ばれる生殖細胞のあるところです。主に塩漬けにして保存し、調理する際に水で塩を落として戻し、味噌汁や汁物の具、酢の物として食されます。

低カロリーでうまみ成分を多く含んでいるため、ダイエツト食品としても人気です。しかしこんなに日本で食されている和布ですが、食べているのは日本以外では、朝鮮半島のみ。

さやえんどう

この時季に、さやえんどうになるエンドウの種をまきます。さやえんどうは、お吸い物の具や! フダ、炒め物、和食の飾りなどに欠かせない食材で、軽い歯応えや舌触りを楽しめます。このさやえんどうはエンドウ豆を未成熟のうちに採ったもの。その種子が未成熟のうちに採ったものがグリーンピースです。

もともとは中近東産で、麦の栽培時に雑草として育っていたものを食用にしたもので、同様の経緯をたどって今日に至った豆類にはレンズ豆やひよこ豆、空豆などがあります。麦と同様、旧暦の夏になると収穫になります。

わらび・ぜんまい

2月の下旬から3月にかけて降る雨を「本の芽起こし」といいます。この雨に誘われて、山菜があちこちで芽を出します。その代表格がわらびとぜんまいです。わらびは芽の先端を食します。

山菜の中でもアクが強いため、アク抜きしてからお浸しや漬物、味噌汁の具にします。わらびと並んで山菜の代表格がぜんまい。若い葉は佃煮、お浸し、胡麻和え、煮物にして食べます。

雨水の頃の花

いぬふぐり

3月から5月頃に淡い青色の花を咲かせるのが、オオバコ科クワガタソウ属の越年草で、「イヌノフグリ」とも呼ばれます。

ふぐりとは睾丸のこと。これは、ふたつ合わさっている実の形が睾丸に似ているとして、「植物学者の父」とも呼ばれる牧野富太郎氏が命名したものです。古くから本州以南で見られた花ですが、現在は絶滅危惧種に指定されています。

沈丁花(じんちょうげ)

雨水次候の季語でもある沈丁花の名の由来は、香木の沈香のようなよい匂いと、丁子のような花をつけることからきています。

日本には室町時代に中国から渡ってきており、二月末から二月に小さな淡い紅色の花が手毬状に固まって咲き、おしべは黄色。強い香りが特徴です。見られるのはほとんどが雄株で、挿し本で増やしていきます。なお、赤く丸い実は有毒です。

カスミソウ

カスミソウのかつての名一則は小米撫子。耐寒性の一年草で、秋に種まきすると春に開花します。古名の通りナデシコ科の属のひとつであるカスミソウ属。小さな花を宿根カスミソウ、大きな花をカスミソウと呼び分けることもあるようですが、なじみ深いのは小さな花で、霞をかけたような華やかさは、華道の脇役として欠かせない存在です。

雨水の頃の生き物

かわうそ

「かわうそを祭る」とい2言葉があります。これは、かわうそが水中で魚を捕ったあと、すぐに食べないで岸に並べる習性があるため、並べた魚がまるで神様に魚を奉納して祀っているように見えるといつことです。

初春の季語として使われていますが、転じて、書物をたくさん並べて調べ物をする人、よく引用する人のたとえにも使われるようになりました。

雨水の頃の歌うた

みちのくの 淋代の 浜若布寄す

青椰

春の野に 霞たなびき うら悲し この夕かげに 鶯嗚くも

大伴家持 万葉集(巻十九・四二九〇)

菜の花や 月は東に 日は西に

蕪村

雨水の七十二節気

土脈潤起(どみゃくうるおいおこる)

雨が降って土が湿り気を含む。

霞始靆(かすみはじめてたなびく)

霞がたなびき始める

草木萌動(そうもくもえうごく)

草木が芽吹き始める