立夏とは

立夏は、「夏の立つがゆへなり」と暦便覧に記されている、二十四節気の第七番目です。
気象や季節の上では、まだ夏には達しない5月ですが、夏の気配が感じられるとされているようです。
春分と夏至の中間にあたりますが、昼夜の長短を基準とした季節の区分では、この日から立秋前日までが夏とされていました。

2014年の立夏はいつから?

5月5日(月曜日)〜5月20日(月曜日)

2012・2014年では5月5日が『立夏』に当たりますから、男の子のお祝いの「端午の節句」、祝日の「こどもの日」に重なります。
2013年のカレンダーの5月5日には、祝日の赤い数字と「こどもの日」「立夏」「端午の節句」と並んで書かれています。
もしかしたら、一番行事色の強い日なのかもしれませんね。

立夏は期間としての意味もあり、二十四節気の次の節気「小満」の前日までを指して呼びます。
蛙が鳴き始め、ミミズが地上に這い出て、大地は草や木の緑が茂り、タケノコの生える季節にもなります。
「夏が立つ」は、今風に言えば「夏が来た」と言うことで、そういえば「夏が来ぬ」という古い唱歌にも歌われていました。

『卯の花の匂う垣根に ホトトギス早も来啼きて 忍びねもらす 夏は来ぬ』と歌われていました。
(うのはなの におうかきねに ほととぎす はやもきなきて しのびねもらす なつはきぬ)
ひらがなの表記なしでは、今の人には難しいかもしれませんね。

この歌のような光景は、今では見られなくなってはいますが、夏の始まりとされていた頃、今の5月のゴールデンウィーク中です。
爽やかな気持ちの良い季節の風が吹き、晴天の続く外出には最適な気候になります。

立夏の由来や意味は

二十四節気では、『立夏』は七番目ですが、一年を四つに分けてそれぞれに「立つ」を付けて分ける方法をとっています。
それぞれに「立春」「立秋」「立冬」ですが、全てが四季の始まる頃とされています。
ですから、『立夏』は、夏が立つで『夏の始まり』ということになりますね。

当然、暦便覧によれば「立夏」は、夏立つとして夏の訪れを告げています。
現在では、「立夏」は太陽が視黄経45度に来たときと定められていますから、5月5日~6日にかけて巡ってきます。
夏の季節・期間を分ける際には、立夏から立秋の前日までが「夏」とされています。

二十四節気の「穀雨・こくう」から数えて15日目、「穀雨」とは穀物を潤す春の雨のことで、農家では種まきに最適な季節です。
そして、「立夏」は雑節の「八十八夜」の3~4日後です。
そういえば、また昔の唱歌ですが、『夏も近づく八十夜 野にも山にも若葉が茂る』と歌われてもいました。
昔の唱歌は、文体は難しいのですが、季節感の表現には素晴らしいものがありますね。
情景が、眼前に広がる思いがします。

この「立夏」を目安にして、南の九州地方では麦が穂を出す頃、、北の北海道ではジャガイモや豆の種まきが始まる頃です。
日本で唯一、自給自足できる稲の農事の暦が動き出す季節、本州各地では田植えの準備の田起こしや田に水の張られる頃でもあり、南の地域では早くも田植えが始まります。

若葉の美しい緑の季節と共に、和の花々も美しく咲き誇っていますから、藤・菖蒲・杜若などを鑑賞しに公園や寺院等に出かけることも、お勧めの季節ですね。
そして、実用的には、夏の準備に最適な気候です。
天候も安定した晴れの日が続きますから、梅雨前に夏物は用意しておきましょう。

立夏の頃の行事やことば

菖蒲湯

五月五日、端午の節句の日に行われる年中行事のひとつで、菖蒲の葉や根を浮かべたお風呂の」とです。人7もこの風習は続いていて、銭湯や温泉などでは全国的に菖蒲湯を行っています。夏を迎えるに当たり、菖蒲湯に浸かることで暑い夏をしっかりと過ごすことができると信じられてきました。菖蒲はすがすがしい香りを放つため、古来から病気に効く薬草として親しまれてきました。そのため菖蒲湯の歴史は非常に古く、中国では六世紀の文献にすでに記載されています。

それが日本に伝わり、江戸時代になると庶民にも菖蒲湯の慣習が広まりました。当時は風呂がある家は少なかったので、庶民は銭湯に行って菖蒲湯に浸かったそうです。

木の葉採り月

この時季ヽ蚕に桑の葉を食べさせるため、桑の葉を集めることから来たことば。陰暦四月の異名のひとつです。この時季の端午の節句に食べるお菓子に柏餅があります。柏の本は新芽が育ってこないと古い葉が落ちない」とからい子孫が絶えない縁起のいい植物とされています。

端午の節句

男の子の健やかな成長を祈願する日です。別名「菖蒲の節句」ともいわれ、強烈な香気をもつ菖蒲で、災厄を祓う日でもあります。菖蒲湯に入る地域もあるので、銭湯で」の菖蒲湯に入ったことのある人もいるでしまつ。この端午の節句の風習は、奈良時代から続く歴史あるものです。

五月五日が端午の節句になったのは、中国の政治家であり詩人だった屈原の命日が五月五日だったためです。楚王の側近だった屈原は、陰謀に巻き込まれて川に身を投げて死んでしまいます。彼を慕う人たちが魚を大鼓で脅し、ちまきを投げて死体を食べられないように守ったそうです。そのため、ちまきが端午の節句に食されるようになりました。

立夏の頃の旬の食材

ソラマメ

マメ科の一年草で3月から4月にかけて薄い紫色の小さな花を咲かせます。旬の季節は五月から六月にかけて。空に向かって実がなるので、「空豆」と書きます。

タンパク質やビタミンB、鉄分などを豊富に含んでいますので、疲労回復や美肌に非常に効果があるといわれています。また高血圧にもいいとされていて、万能薬といってもよい栄養価の品い豆です。エジプトでは四千年前の遺跡から、中東では新石器時代の遺跡からも出土しているなど、人々の食を支えてきた豆です。世界中で愛されてきた豆ですので、各地で郷土料理として食用されています。

筍(たけのこ)

筍は広い意味ではイネ科のタケの若芽のことを指します。漢字で書くときは「筍」、または「竹の子」とすることもあります。地表に出てきたときは日に数センチずつしか成長していなかったものが、急に成長の速度を早めて、十日目くらいには数十センチから1メートルに達することもある、非常に成長の速い植物です。

立夏の頃の花や草木

芝桜

四月から五月にかけて、地表一面に鮮やかなピンクや自色の、桜に似た花を咲かせる芝桜。サクラという名前がついていますが、分類としてはハナシノブ科の植物となります。名前から日本固有の植物の印象を受けますが、実は北アメリカ原産で、英語では「モスフロックス」と呼ばれています。

全国各地に芝桜の名所があり、この時期になるとお祭りが行われ、どこも大勢の観光客で賑わいを見せています。

藤の花

日本の固有種で、本州から四国、九州にかけて生息している花です。紫色の小ぶりの花ゴ房状になって1メートル近くにもなり、艶やか、かつ上品で、古代より愛好者の多い花です。四月下旬から五月上旬にかけて見ごろとなり、各地で藤まつりが開催されます。

立夏の七十二節気

蛙始鳴(かえるはじめてなく)

蛙が泣き始める

蚯蚓出(みみずいずる)

みみずが地上に這い出る

竹笋生(たけのこしょうず)

筍が生えてくる