啓蟄

  

2023年

3月5日(木曜日)

二十四節季七十二侯
啓蟄初候蟄虫啓戸
(すごもりむしとをひらく)
冬籠りの虫が出て来る
次候桃始笑
(ももはじめてさく)
桃の花が咲き始める
末候菜虫化蝶
(なむしちょうとなる)
青虫が羽化して紋白蝶になる

3月の上旬頃になると少しずつ気温が上がり、虫が冬眠から起き、活動し始めるようになります。

そんな季節を「啓蟄(けいちつ)」と言います。

平均の温度が10度を超えると虫が活動し始めると言われています。

地方によって違いますが、まさにこの頃、平均温度が10度を超える日が増えるので、虫が起き始めるのです。

ここでは、啓蟄の意味や関係ある季語、食べ物などをご紹介します。






啓蟄てどんな日

啓蟄とは、毎年3月6日頃~3月20日頃に訪れる3番目の二十四節気です。
「啓蟄」とは「けいちつ」と読み、虫が冬眠から起きる様子を意味してつけられました。

啓蟄という文字から、虫が起きる様子を感じ取るのは難しいと思いますが、虫が冬眠している様子を「蟄」に、そこから開いていく様子を「啓」の字に込められています。

その字の通り、虫が活動しやすくなる10度以上の気温が続くようになり、寒い冬から春に移り変わっていく様子を感じ取ることができます。






啓蟄に関係のある季語

啓蟄の頃に使われる季語には、春の訪れや気温の変化を表すものが多いです。

例えば、次のような季語があります。

・早春の候
・早春
・軽暖
・春暖
・雪解
・春うれひ
・春の月
・たんぽぽ
・目貼剥ぐ

啓蟄の頃の俳句には、次のようなものがあります。

・裏店や箪笥の上の雛まつり(高井几薫)
・啓蟄の虫におどろく縁の上(白田亜浪)
・初桜折しも今日はよい日なり(松尾芭蕉)
・伊豆の海紺さすときに桃の花(沢木欣一)

手紙では、次のような挨拶文がよく使われるようになります。

・日ごとに暖かさを増し春めいてきました
・春弥生、木も花もつぼみをふくらませてきました
・春三月、一輪挿しの桃のつぼみが開きましたが
・春とはいっても朝夕はまだまだ冷え込みますが
・寒気しだいにゆるんでまいりました
・春光天地に満ちる季節になりました
・木々の緑、日ごとに色めく季節となりました

3月のお手紙を書く際に参考になりますよ
3月の時候の挨拶






啓蟄に関係ある食べ物は?

冬眠していた虫たちが土から出てきて、動き始める啓蟄の頃だからこそ、ぜひ食べていただきたい旬の食材があります。

・たけのこ
たけのこの旬は啓蟄の頃で、土から立派に出てくる姿をあちこちで見かけるようになります。

旬のたけのこは歯ごたえがあるので、筍ご飯を始め、天ぷら等で食べても、いつもよりもおいしいです。

・わらび、ぜんまい
春の到来を感じるさせるわらびやぜんまいのような山菜もこの頃に旬を迎えます。

炊き込みご飯や和え物、煮物、天ぷらなど様々なメニューに使えます。

・新玉ねぎ
いつもの玉ねぎよりも、柔らかく甘みがある新玉ねぎ。
春の新玉ねぎをスライスしてサラダにすると、辛くないので食べやすく次あたりも良いです。






まとめ

3月の上旬頃に啓蟄の季節を迎えると、虫が冬眠から起きて活動し始めるようになります。

啓蟄は、毎年3月6日頃~3月20日頃に訪れる3番目の二十四節気で、冬から春へと向かうときに次第に気温が上がり始める頃です。

啓蟄の頃に使われる季語には、春の訪れや気温の変化を表すものが多いので、季節の移り変わりを表すような俳句や手紙でワンランク上の表現ができるといいですね。






春の二十四節季を知ろう

四季節気旧暦西暦
立春(りっしゅん)1月節2月4日頃
雨水(うすい)1月中2月19日頃
啓蟄(けいちつ)2月節3月5日頃
春分(しゅんぶん)春分の日2月中3月21日頃
清明(せいめい)3月節4月5日頃
穀雨(こくう)3月中4月20日頃