2020年の厄年

「七色のもの」が厄年の人へのプレゼントとして最適な理由

厄年の人に贈ると厄払いになり良いとされる贈りものとして「七色のもの」がよくあげられます。
しかしなぜ「七色」なのでしょうか。
この理由としていくつかの理由が挙げられています。

1 七難即滅 七福即生

仏教の古い経典である「仁王般若経」にある言葉です。
「しちなんそくめつ しちふくそくしょう」と読みます。
この七難とは経典によって指し示す内容が違ってくるのですが、仁王般若経においては日月失度難、星宿失度難、災水難、雨水難、悪風難、亢陽難、悪賊難が当たります。
これの意味するところは干ばつや長雨、川の氾濫などの水害、暴風や竜巻などの風害、盗賊の被害にあうなどの災難を意味します。
さて、七福とは何を意味するのでしょう。
七福は寿命、人望、清廉、大量、威光、財福、愛敬を意味し、これらは七福神のルーツとなったものではないか、と考えられています。
この「七難即滅 七福即生」は何を意味するのかというと、御経を読むことにより七難がすぐに去り、七福が訪れると説いているのです。

この七福を呼び込めるよう七色の物を身に付けるといい、とされたのではないか、と考えられているのです。

2 七福神

上の「七難即滅 七福即生」に関連しますが、七福神にあやかって七色のものが良いとされたという考えもあります。
七福神とは名の通り福をもたらす7人の神様のことを指します。
恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋の7人の神様は日本の神様もいればヒンドゥー教の神様も道教の神様も仏教の神様もおり、日本人の生活に深く根ざしてきた神様たちという風に考えることもできます。

これらの神様を7色に見立てて、その色の付いたものを身につけていると厄を跳ね返すことができると考えられたようです。
色に見立てずともこれらの神様が宝船に乗っている絵やマスコットなども販売されていますので、福を呼び込むアイテムとしてプレゼントとしても良いですが、厄年には生活に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。

3 空海の安全祈願

空海は804年遣唐使の一人として日本から中国(当時は唐)へ渡りました。
当時の船の旅は全く安全なものではありませんでした。
空海たちの船も4つのうち2つが遭難して目的地にたどり着けないほど命がけの旅でした。
この旅に出発する前に空海は7色の小物を用意したと言われています。
それにあやかり厄をはねのける力が7色のものにあると考えられているのです。

4 厄を8(や)9(く)とし、7にはやくがない

これは全くのごろ合わせですが、厄年の年齢も33を「散々」と読んだり42を「死に」と読んでいますから、こういう考えをしてもおかしくありませんね。

どの説が本当ということはわかりませんが、昔から厄年の人には七色のものを贈ると決まっています。
身近な人がもし厄年であれば七色のものを何か贈ってみてはどうでしょう。