公開日: 2026年3月26日
- 古希の意味や由来を正しく知りたい方
- 杜甫の漢詩との関係を理解したい方
- 古希と古稀の違いが気になる方
「古希」の語源は杜甫の漢詩「曲江」
古希(こき)の名前の由来は、中国・唐代の詩人杜甫(とほ、712〜770年)の漢詩「曲江(きょっこう)」にあります。この詩の中の一節「人生七十古来稀なり(じんせいしちじゅうこらいまれなり)」が語源です。当時の平均寿命は30〜40歳程度とされ、70歳まで生きることは文字通り「稀」なことでした。
杜甫自身は58歳で生涯を閉じており、70歳には届きませんでした。この詩は曲江という景勝地で酒を飲みながら、人生の儚さと限りある時間を惜しむ心情を詠んだものです。
「古希」と「古稀」どちらが正しい?
「古希」と「古稀」の両方の表記が使われますが、どちらも正しいです。元々は「古稀」が原典に近い表記ですが、「稀」が常用漢字に含まれないため、現代では「古希」の表記が広く使われています。お祝いの場面ではどちらを使っても問題ありませんが、正式な書面や祝儀袋では「古希」が一般的です。
古希祝いの歴史 — 日本でいつから祝われた?
日本における長寿祝いの歴史は古く、奈良時代に中国から伝わったとされています。ただし、当初は還暦(60歳)の祝いが中心で、古希が独立したお祝いとして定着したのは室町時代以降です。
江戸時代には「賀寿(がじゅ)」として、還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿の7つの節目が体系化されました。特に古希は「還暦の次の大きな節目」として重視され、盛大な宴席が催されるようになりました。
明治以降、西洋の誕生日文化が入ってきた後も、長寿祝いの伝統は廃れることなく続いています。現在では満年齢で祝うことが主流になり、誕生日パーティーと兼ねるケースも増えています。
| 時代 | 出来事 |
|---|---|
| 8世紀(唐代) | 杜甫が漢詩「曲江」を詠む |
| 奈良時代 | 中国から日本へ長寿祝いが伝来 |
| 室町時代 | 古希が独立したお祝いとして定着 |
| 江戸時代 | 賀寿が体系化、庶民にも普及 |
| 明治以降 | 満年齢での祝いが主流に |
| 現代 | 誕生日パーティーと兼ねるスタイルが定着 |
古希は数え年?満年齢?いつ祝う?
伝統的には数え年70歳(満69歳)で祝うのが正式ですが、現代では満70歳の誕生日に祝うことが主流です。お祝いのタイミングは以下の3つが一般的です。
1. 満70歳の誕生日:最も一般的なタイミング。家族が集まりやすい週末に合わせることが多いです。2. 敬老の日(9月第3月曜日):祝日で家族が集まりやすく、長寿祝いの趣旨にも合います。3. お正月:帰省のタイミングに合わせて家族全員で祝えます。数え年で祝う場合はお正月が本来の時期です。
世界の70歳の祝い方
70歳のお祝いは日本特有の文化ではなく、世界各地にも似た慣習があります。韓国では「古希宴(コヒヨン)」として盛大な宴を催します。中国では「寿宴」として家族親族が集まります。欧米でも70歳のバースデーパーティーは「Milestone Birthday」として特別に祝われます。
まとめ
古希は、杜甫の漢詩を起源とする歴史ある長寿祝いです。「人生七十古来稀なり」という言葉に込められた、長い人生への敬意と感謝の気持ちは今も変わりません。平均寿命が延びた現代だからこそ、70年の歩みを称え、これからの幸せを願う大切な機会として古希祝いを楽しみましょう。
よくある質問
古希と古稀、お祝いの場ではどちらの漢字を使うべきですか?
どちらも正しいですが、現代では「古希」が一般的です。祝儀袋やメッセージカードには「古希御祝」「祝古希」と書くのが定番です。「古稀」は原典に近い表記ですが、常用漢字外のため使用頻度は低くなっています。
杜甫の「曲江」はどんな詩ですか?
「曲江」は杜甫が長安の景勝地・曲江のほとりで詠んだ七言律詩です。春の花が散る様子と人生の儚さを重ね、「酒債は尋常行く処に有り、人生七十古来稀なり」と詠みました。「酒代のツケはどこにでもあるが、70歳まで生きる人は昔から稀だ」という意味です。
古希のお祝いをしないとどうなりますか?
古希祝いは義務ではなく、お祝いしなくても問題ありません。本人が「祝われたくない」という場合は、家族で食事をする程度のさりげない形にするのもよいでしょう。ただし、日頃の感謝を伝える良い機会でもあるため、何らかの形で気持ちを伝えることをおすすめします。
出典・参考
監修: 年祝いガイド|還暦・古希・喜寿など長寿のお祝い 編集部
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