ひな祭りの飾りはいつ頃用意すればいいのか、迷う人もいるのではないかと思います。
実際に飾る時期は、どんなに早いときでも節分後の立春からが良い、と言われています。
一般的にどれくらいの時期に準備を始めているのか紹介をしていきます。

ひな祭りの飾りはいつから飾るの?

ひな祭りというと3月3日ですが、気になるのがひな人形を飾る時期ではないでしょうか。
「お雛様はいつ頃から飾ればいいのか」、「ひな人形を出す時期が分からない」など、ひな人形を飾る時期については、悩んでいる人も決して少なくはないと思います。
女の子の初節句というと、やはり気になるのが雛人形を飾る時期です。
飾りを出す時期についての考え方は家族によってそれぞれで、「お正月が終わったらすぐに飾った方がいい」、「ひな人形は大安に飾るべき」、「あまり早く飾ってはいけない」、「節分が終わった後に飾るのが正しい」、「いつでもいい」など様々な意見が見られます。

人によってひな祭りを飾る時期は異なることが分かりますが、一体どれが正しいのか悩んでしまいます。
とても気になることだと思いますが、人形を出す時期は、どんなに早くても節分後の立春から飾り始めるのが良いと言われています。
この立春がいつになるのかを基準にして考えてみるといいでしょう。
ひな壇を出すと色々と汚れなども目立ちますし、かなりバタバタと忙しくなると思います。
ある程度の時期を把握しておくことは、忙しい時期になることもあって大切なことだと考えられます。

ひな祭りというのは、春という季節のおめでたい意味を込めて寿で現わすこともあります。
春という季節を待って飾る、ということです。
もちろんこれは一般論であって、地域によっては風習などから実際に飾る時期は異なると思います。
例えば、お正月の松が明ける1月8日以降に飾るところもあれば、月遅れの4月3日がひな祭りにあたる地域では、春休みが始まる時期に合わせて飾るところもあるようです。
地域によってひな人形を飾る時期は異なりますが、一般論の立春以外では、雨水の日も候補に挙げられています。
これは「雨水の日にひな人形を飾ると良縁に恵まれる」などと昔から言われていることが由来になり、あえてこの日を選ぶ人もいるようです。

ひな祭りでの主役は女の子ですので、「将来は良いパートナーに恵まれて欲しい」という、親御さんの気持ちが込められているのかもしれません。
これらのことから、ひな人形を飾る時期に特に明確なルールは定まっていないことが解かり、各地域によって異なるのが一般的です。
もちろん一般論である節分後に飾るのも良いですし、それぞれの地域の風習に従うのもいいでしょう。
ただ両家の実家がそれぞれ異なると風習も変わってきますので、どちらの地域の習わしに従えばいいのか迷うこともあるかもしれません。
双方の親からひな人形を飾る時期について、アレコレと意見を言われてもまとまらないでしょう。

ひな人形を飾る時期で悩んでいるときは、両家の意見のどちらを選んでも後々に面倒ではないかと思います。
ここは皆で話し合って、上手に決める必要があります。
お互いの意見が合わなくて迷ったときには、雨水の日を持ちだしてその場を取り繕う方法もありますが、もうひとつの方法もあります。
それが現在住んでいる地域の人形店に問い合わせをして、その地域の風習を教えてもらうということです。
近くに専門の人形店がないときには、ネットで調べたものを基準にしても構いません。
その結果を両家の実家に告げることが大切です。
時期について何かしら聞かれたら、「専門の方からアドバイスをもらったのでそれに従いました」と言えばいいでしょう。

ひな祭りの時の飾りの名前や種類・意味を知ろう

ひな祭りを行う際に飾りつけの名前や種類、意味などを知っておくことは大切です。
それぞれ聞いたことはあると思いますが、意味までは解かりにくいと思いますので紹介します。

雛人形

雛人形には様々なものがありますが、その中でも最も数が多いのが十五人飾りになります。
十五人飾りは「七段飾り」と「五段飾り」に分類でき、その中で最も豪華なものが「十五人揃い七段飾り」です。
それをコンパクトにしたのが「十五人揃い五段飾り」、人数の少ない飾りが「十人揃い五段飾り」です。
雛段の一番上は、内裏雛や親王雛と呼ばれていて、男雛と女雛の一対の人形が飾られます。
男雛と女雛は、地域によっては「殿」、「姫」と呼ばれることもあるようです。
お雛様の男雛と女雛は、それぞれ天皇と皇后を表していて、天皇皇后の結婚式を模して作られているのです。
夫婦の理想像とも言われる天皇や皇后と同じ形で、女の子が良縁に巡り会えるように、という祈りが込められています。

次に官女になりますが、こちらは天皇皇后の男雛と女雛の身の回りのお世話をするために、宮仕えする女性たちのことを言います。
その次の五人囃子ですが、こちらは大鼓、小鼓、横笛、謡、能楽を演奏する楽団のことです。
囃子というのは、能、狂言、歌舞伎、長唄、寄席演芸といった各種の芸能のことになり、拍子を取ったり雰囲気を出したりするために奏する音楽になります。
日本の伝統文化として知られている、ユネスコ無形文化遺産の能楽演奏形式のひとつでもあります。
五人囃子は、能楽を上演する際の地謡がひとり、そして4名の囃子方で構成されています。
五人囃子が被っているのが「烏帽子(えぼし)」と呼ばれるもので、三角形のような帽子です。
続いてが「随身右大臣(ずいじん うだいじん)」になり、こちらは宮廷を養護する武官のことです。
今で言えば天皇皇后や両陛下をサポートする、SPやガードマンのことになり、若い方が右大臣です。

つるし雛

つるし雛は、様々な形をした人形をたくさん作り、それを全部吊るすものです。
つるし雛はただの可愛い人形ではなく、それぞれにきちんとした意味があります。
例えば「三番叟(さんばそう)」というものがありますが、これは伝統芸能のひとつである「舞」を表現したもので、五穀豊穣を願っています。
「将来に渡って食べ物に困ることのないように」という想いが込められているのです。
つるし雛は、ひとつひとつに意味があり、それぞれ想いが込められて作られています。

つるし雛が始まったのは江戸時代と言われていて、その頃の裕福ではない一般の家庭では、雛人形は高価なものになり、簡単には入手ができませんでした。
しかし生まれてきた子供たちの幸せを願う気持ちは、どんな親でも一緒です。
そこで家族全員で小さな人形を作り、それらを持ち寄ってつるし雛を作るようになった、と言われています。
つるし雛は、家族の愛といった想いがたくさん詰め込まれて作られたものです。
赤ん坊の大切なお守りとして、大切にされてきました。

さげもん

さげもんは福岡県柳川市に昔から伝わる風習のことで、つるし飾りのひとつにあたります。
女の子が生まれた家庭ではその子供の幸せを願い、雛段は父方の実家より、さげもんは母方の親戚が用意していました。
これと同じような風習としては、静岡県東伊豆町で行われている「雛のつるし飾り」や、山形県酒田市の「傘福」(笠福)があります。
さげもんは、赤白の布を40cm程度の竹輪に巻きつけ、細工ものと柳川まりを、それぞれ交互に7列7個の49個つるすのが一般的で全高は150cmくらいになります。
さげもんは、雛段をさらに豪華に引き立てるために使われることもあります。

ひな祭りのお祝いの仕方などを知りたい方はこちらの記事で分かります

ひな祭りがわかる|お祝いの仕方・由来や意味を知ろう