公開日: 2026年3月25日
重陽の節句(ちょうようのせっく)は、毎年9月9日に行われる五節句の一つです。別名「菊の節句」とも呼ばれ、長寿と健康を祈る行事として古くから大切にされてきました。五節句の中では最も認知度が低いとされますが、検索数は非常に多く、関心が高まっている行事です。
重陽の節句とは?
重陽の節句は、古代中国の陰陽思想に基づく行事です。中国では奇数を「陽」の数とし、陽の最大値である「9」が重なる9月9日を最も縁起の良い日として祝いました。「重陽」の名前は「陽が重なる」ことに由来します。
重陽の節句の歴史と由来
中国での起源
古代中国では、9月9日に高い場所に登り(登高)、茱萸(しゅゆ)を身につけ、菊酒を飲んで邪気を払い、長寿を祈る習慣がありました。
日本での発展
奈良時代に日本に伝わり、平安時代には宮中で「菊の宴」が催されました。江戸時代には五節句の一つとして公式行事になりましたが、明治の新暦移行で9月9日が菊の盛りから外れ、次第に行事としての認知度が低下しました。
重陽の節句の食べ物と行事
| 食べ物・行事 | 意味 | 詳細 |
|---|---|---|
| 菊酒 | 長寿・不老 | 日本酒に食用菊の花びらを浮かべて飲む |
| 栗ご飯 | 豊穣・繁栄 | 秋の味覚を代表する栗で収穫を祝う |
| 食用菊のおひたし | 健康・邪気払い | 菊は古来より薬効があるとされる |
| 秋なす | 実りの秋の象徴 | 「秋なすは嫁に食わすな」の諺でも有名 |
| 被せ綿(きせわた) | 若返り・美容 | 前夜に菊の花に綿を被せ、朝露を含んだ綿で体を拭く |
現代での重陽の節句の祝い方
近年、重陽の節句は以下のような形で注目を集めています。
- 敬老の日と合わせて:9月の第3月曜日の敬老の日と時期が近く、長寿を祝う行事として一緒に楽しむ家庭が増えています
- 秋の味覚を楽しむ:栗ご飯や菊の花を使った料理で、季節の移り変わりを味わいます
- 菊まつりへの参加:各地の神社やお寺で開催される菊まつりに参加するのもおすすめです
重陽の節句は、五節句の中で唯一「長寿」をテーマにした行事です。陽数の極みである9が重なる9月9日は、古代中国で最も縁起の良い日とされました。菊の花が持つ薬効と美しさ、秋の実りへの感謝が一体となったこの行事は、高齢社会の現代日本においてこそ見直される価値があります。敬老の日と組み合わせて祝うことで、伝統文化と現代の感謝の気持ちを融合させることができるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q:重陽の節句は何をする日ですか?
菊の花を飾り、菊酒を飲み、栗ご飯などの秋の味覚を楽しみながら、長寿と健康を祈る日です。
Q:なぜ重陽の節句は知名度が低いのですか?
明治時代の新暦移行により、9月9日が菊の見頃から外れてしまい、季節感が薄れたことが主な原因です。
Q:重陽の節句の食用菊はどこで買えますか?
秋になるとスーパーの野菜売り場や直売所で販売されます。「もってのほか」「延命楽」などの品種が有名です。
参考資料
まとめ
重陽の節句は、9月9日に長寿と健康を祈る美しい秋の行事です。菊酒や栗ご飯を楽しみながら、五節句の伝統を現代に受け継いでいきましょう。豆知識カテゴリの他の記事もぜひご覧ください。
監修: 初節句ガイド|端午の節句・桃の節句のお祝い方法 編集部
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