旧盆|沖縄・奄美の伝統お盆と新暦との関係

旧盆(きゅうぼん)とは、旧暦7月13〜15日の3日間に行われる伝統的なお盆のことで、月の満ち欠けを基準とする太陰太陽暦に従って毎年新暦の日付が変動する点が最大の特徴です。明治5年(1872年)の改暦以後、本土の大多数は新暦7月盆または月遅れ盆(8月13〜16日)へ移行しましたが、沖縄全域奄美地方では現在も旧暦に従って先祖供養を行っており、新暦に換算すると毎年8月中旬〜9月上旬の間で日付が動きます。2026年(令和8年)の旧盆は8月25日(火)〜8月27日(木)に当たり、25日がウンケー(迎え)、26日がナカヌヒー(中日)、27日がウークイ(送り)です。本記事では旧盆の意味・継承地域・新暦との換算カレンダー・3日間の流れ・本土の2026年月遅れ盆江戸盆(7月盆)との比較・エイサーウサンミなどの沖縄独自風習・帰省時の実務注意点・家族構成別シナリオまで、旧盆を理解するための要点を体系的に解説します。お盆の歴史仏教との関係お盆 いつから いつまで2026年7月のお盆 もあわせてご参照ください。

旧盆の基本情報(10項目総覧)

まず旧盆を一目で理解するため、定義・期間・地域・暦・呼称・本土との違いを10項目の基本表で整理します。詳しい起源は お盆の歴史、暦の根拠は 国立天文台 暦計算室 をご参照ください。

項目 内容
正式名称 旧盆(きゅうぼん)/沖縄方言ではシチグヮチ(七月)
正式期間 旧暦7月13日〜15日(3日間)
新暦換算 毎年変動(8月中旬〜9月上旬)
2026年新暦日付 8月25日(火)〜8月27日(木)
2027年新暦日付 8月14日(土)〜8月16日(月)
主な実施地域 沖縄全域・奄美地方(鹿児島県)
地域呼称 シチグヮチ(沖縄)/旧盆・アラボン(奄美)
3日間の名称 ウンケー(迎え)/ナカヌヒー(中日)/ウークイ(送り)
暦の根拠 太陰太陽暦(旧暦)/月の満ち欠け基準・約29.53日周期
本土主流との違い 本土:新暦8月13-16日固定/旧盆:旧暦7月13-15日(毎年変動)

旧盆は単なる「日付違いのお盆」ではなく、暦そのものが旧暦を採用しているため、現代カレンダー上では毎年日付が動く点が最大の特徴です。新暦8月13〜16日に固定されている本土の月遅れ盆とは、暦の根拠そのものが根本的に異なります。「8月のお盆」という大きな枠では同じでも、「いつ家族が集まるか」を決める暦が違うため、本土から沖縄へ帰省する場合は毎年その年の旧暦カレンダーで日付を確認する必要があります。

旧盆を継承する地域(沖縄・奄美の8地域)

旧盆を現役の生活文化として継承しているのは、地理的・歴史的に中央政府の影響が比較的緩やかだった沖縄県全域と、鹿児島県の奄美群島です。下表は旧盆を継承する代表的な8地域とそれぞれの特色をまとめたものです。

地域 範囲 呼称 特色
沖縄本島 那覇・浦添・宜野湾・うるま・沖縄市・名護等の全市町村 シチグヮチ エイサー道ジュネー・ウチカビ焼き・三段重ウサンミ
沖縄離島 宮古島・石垣島・竹富・与那国・久米島・伊江島等 シチグヮチ/ストゥガツ(宮古) 島ごとに独自の踊り・供物・墓前会食文化
奄美大島 鹿児島県奄美市・大和村・宇検村・瀬戸内町等 旧盆/アラボン 八月踊り・先祖棚(トートーメー)・夜通しの集落踊り
徳之島 鹿児島県天城町・伊仙町・徳之島町 旧盆 夏目踊り・闘牛文化と先祖供養の融合
喜界島 鹿児島県喜界町 旧盆 盆踊り・墓前での親族集会・祖先棚
沖永良部島 鹿児島県和泊町・知名町 旧盆 奄美と沖縄の中間的習慣・独自の歌謡文化
与論島 鹿児島県与論町 旧盆/ウンケー・ウークイ 沖縄文化圏に近く・本島との往来が盛ん
九州山間部・離島の一部 鹿児島県甑島・薩摩半島の一部集落 旧盆 少数地域に残存・地域差大

本土の大多数は明治の改暦で新暦7月盆または月遅れ盆へ移行しましたが、薩摩藩支配下にあった奄美と、琉球王国〜沖縄県となった沖縄では、独自の文化的アイデンティティとして旧暦が保持されました。地理的に中央政府の暦改正の影響が遅れて伝わったこと、農作業・漁業・潮汐を旧暦で管理する生活文化が深く根付いていたこと、戦後27年間の米軍統治下で本土と異なる行政体系にあったこと(沖縄)など、複数の要因が旧盆継承の背景にあります。地域別の詳細風習は 沖縄のお盆 完全ガイド奄美のお盆 で深掘りしています。

沖縄旧盆 3日間の流れ(ウンケー・ナカヌヒー・ウークイ詳細)

沖縄旧盆の3日間は、それぞれ「迎え・中日・送り」の役割が明確に儀礼化されています。本土の月遅れ盆(13日迎え→14・15日中日→16日送り)と異なり、旧盆は「13日迎え→14日中日→15日送り」の3日構成で、15日にクライマックスを迎える集約型のスケジュールです。

日(旧暦) 沖縄方言 漢字表記 意味 朝〜昼の主な行事 夕方〜夜の主な行事
7月13日 ウンケー 御迎 迎え盆/ご先祖を家に迎える 仏壇・トートーメー(祖先棚)の最終確認・お供え物の準備・お墓掃除 ウンケージューシー(炊き込みご飯)を仏壇に供え・門前で迎え火を焚き先祖を家に迎える
7月14日 ナカヌヒー 中の日 中日/親族訪問・お中元のやり取り 親戚回り・お中元持参・ナカビヌジューシー(中日の混ぜご飯)・墓前会食を行う家系も 仏壇前で家族会食・親族の集まり・地域のエイサー道ジュネーの音が響き始める
7月15日 ウークイ 御送 送り盆/ご先祖をあの世へ送る 三段重ウサンミ(御三味)を仏壇に供え・親族全員集合・読経 夜遅くにウチカビを焚き先祖をお見送り・エイサー道ジュネーが各集落を巡回・家族で見送る

ウークイ(送り盆)は深夜近くに行うのが伝統で、ご先祖が「もう帰りたくない」と言わないよう、夜が更けてから紙銭ウチカビを焚いて静かにお見送りするのが沖縄の慣習です。エイサーの太鼓と歌が集落を巡る「道ジュネー」は、青年会が地域を一晩中回って先祖の霊を慰める旧盆ならではの光景。各日の詳細・地域差・お墓参りのタイミングは 沖縄のお盆 完全ガイドエイサーウサンミ で詳述しています。

旧暦と新暦の関係(なぜ毎年日付が動くか)

旧暦は月の満ち欠け(朔望月・約29.53日)を基準とする太陰太陽暦、新暦は太陽の運行を基準とする太陽暦(グレゴリオ暦)です。月の周期12ヶ月で約354日、太陽の周期は約365日で、年に約11日のずれが生じます。このずれを調整するために旧暦では数年に一度「閏月」を挿入するため、新暦上では毎年違う日付に旧暦7月15日が来ます。年により旧盆が新暦8月前半・後半・9月前半と大きくずれるのはこのためです。

旧暦7月13日(ウンケー) 旧暦7月14日(ナカヌヒー) 旧暦7月15日(ウークイ) 特徴
2025年(令和7年) 9月4日(木) 9月5日(金) 9月6日(土) 遅い年・本土盆と3週間ずれ
2026年(令和8年) 8月25日(火) 8月26日(水) 8月27日(木) 標準的な8月後半
2027年(令和9年) 8月14日(土) 8月15日(日) 8月16日(月) 本土盆と完全に重なる稀な年
2028年(令和10年) 9月1日(金) 9月2日(土) 9月3日(日) 9月にかかる年
2029年(令和11年) 8月22日(水) 8月23日(木) 8月24日(金) 標準的な8月後半
2030年(令和12年) 8月11日(日) 8月12日(月) 8月13日(火) 本土盆とほぼ重なる年

正確な日付は年ごとに異なるため、その年の旧暦カレンダーを必ずご確認ください。国立天文台 暦計算室 の暦表が一次情報源として最も信頼でき、沖縄県内では地元紙(琉球新報・沖縄タイムス)や沖縄県発行のカレンダーに旧暦が併記されています。本土の家族が沖縄へ帰省する際は、毎年「今年の旧盆は新暦のいつか」を必ず確認してから航空券・宿泊を手配してください。

旧盆と本土の月遅れ盆・新盆の違い(3形態比較)

日本のお盆は地域により「月遅れ盆(8月)・新盆(7月)・旧盆(旧暦)」の3形態が共存しています。下表で根本的な違いを整理します。3形態の全体像は お盆 いつから いつまで で詳述しています。

項目 旧盆(沖縄・奄美) 月遅れ盆(本土主流) 新盆・江戸盆(東京旧市街等)
暦の根拠 旧暦(太陰太陽暦) 新暦(太陽暦) 新暦(太陽暦)
日付 毎年変動(8月中旬〜9月上旬) 8月13〜16日(固定) 7月13〜16日(固定)
日数 3日間 4日間 4日間
主な地域 沖縄全域・奄美地方 全国の約80% 東京旧市街・横浜の一部・函館・金沢の旧市街
呼称 シチグヮチ/旧盆/アラボン お盆/月遅れ盆/お盆休み 新盆/江戸盆/東京盆
独自風習 エイサー・ウチカビ・ウサンミ・道ジュネー 盆踊り・精霊流し・五山送り火・精霊馬 ほおずき市・玄関提灯・浅草の盆踊り
休業日扱い 沖縄県内では正月並み大型休 全国的な夏休み・盆休み 東京は平常営業多い・帰省は地方へ
採用率 約8% 約80% 約10%

本土の月遅れ盆と旧盆は「8月のお盆」という点では似ていますが、暦の根拠と日付固定性が根本的に違います。特に2027年のように偶然両者が重なる年もあれば、2025年のように3週間以上ずれる年もあるため、本土から沖縄へ帰省する際は本土盆の感覚で予約せず、必ず該当年の旧暦カレンダーで日付を確認してください。月遅れ盆 完全解説2026年7月のお盆江戸盆 も参照すると地域差の理解が深まります。

沖縄旧盆の独自風習(ウチカビ・エイサー・ウサンミ・ヒラウコー)

沖縄旧盆には本土にはない濃厚な独自風習が現役で続いています。下表で代表的な4つの風習を整理し、その後個別に深掘りします。

風習名 意味・由来 使用タイミング 入手方法・価格
ウチカビ(打ち紙・紙銭) あの世のお金。先祖への仕送り・お小遣い ウークイ(15日夜)に焚き上げる 沖縄県内スーパー・仏具店/1束5枚300〜500円
ウサンミ(御三味・三段重) 三段重に詰めた供物料理。豚三枚肉・かまぼこ・天ぷら等 ウークイの仏壇供物・親族会食 仕出し店で予約/3〜5万円・自宅調理も
エイサー(青年会の道ジュネー) 沖縄の盆踊り。太鼓と歌で先祖の霊を慰める 旧盆中の夜・特にウークイ前後 地域の青年会主催/観覧無料
ヒラウコー(沖縄線香) 6本一体の板状線香。沖縄独自の規格 仏壇・墓前で焚く 沖縄県内スーパー・仏具店/1箱200〜400円

ウチカビ(あの世のお金)

黄色い紙に銭模様が打ち込まれた「ウチカビ」を、ウークイ(送り盆)にあの世へのお小遣いとして焚き上げます。本土にはない沖縄独自の習慣で、スーパーや仏具店で販売されています。1束5枚入りで300〜500円程度。家族の人数や故人の好みに合わせて束数を増やし、金属のボウルや専用の容器で焚くのが一般的です。最近は防火・近隣配慮のため、コンクリート上で焚く家庭・専用の燃焼容器を使う家庭が増えています。

ウサンミ(御三味・重箱料理)

三段重に詰めた供物料理。豚の三枚肉・かまぼこ・揚げ豆腐・天ぷら・昆布巻き・ごぼう・こんにゃくなどを規定通りに配置します。仏壇に供えた後、親族で分け合って食します。沖縄では仕出し店で予約するのが一般的で、3段重で3〜5万円程度。料理の配置・品数には宗派や家系による細かい作法があり、義実家で初めて作る場合は義母・親戚から学ぶのが確実です。詳細は ウサンミ完全ガイド をご参照ください。

エイサー(青年会の道ジュネー)

沖縄の盆踊りに当たる伝統芸能。青年会単位で地域を回る「道ジュネー」が旧盆中に行われ、大太鼓・締太鼓・パーランクー・歌と踊りで先祖の霊を慰めます。ウークイ前後の夜は集落中に太鼓の音が響き渡り、家々を回って祝福する独特の光景が広がります。観光イベントとしての「沖縄全島エイサーまつり」(沖縄市主催)は旧盆翌週末に開催され、本土からの観光客にも開かれています。詳細は エイサー完全ガイド

ヒラウコー(沖縄線香)

本土の細い線香と違い、6本が板状にくっついた「ヒラウコー」を使います。仏壇・墓前で焚く独自の沖縄線香で、用途により1枚(1本分)・3枚(半ヒラ)・6枚(1ヒラ)と本数を使い分けます。沖縄県内のスーパー・仏具店で1箱200〜400円程度で購入可能。本土在住の沖縄出身者も、沖縄物産店やECで取り寄せて使う方が増えています。

旧盆 帰省時の実務的注意点

本土からの旧盆帰省は、本土盆の感覚で動くと大きな失敗につながります。航空券・宿・レンタカーの予約タイミング、現地の営業状況、服装、香典など実務面で押さえておくべきポイントを整理しました。

項目 注意点 備考・推奨アクション
航空券 本土盆(8/13-16)と日程が違うので一見安そうに見えるが、沖縄路線は需要急増で高騰 3〜4ヶ月前予約が望ましい・LCCも早期予約必須
レンタカー 那覇空港・離島とも完売が早い・特に軽自動車・コンパクトカーから埋まる 2〜3ヶ月前予約推奨・複数社で比較
ホテル 本島中南部・離島ともに満室。観光向けより親族向け宿が空きやすい 3ヶ月前予約推奨・親戚宅泊なら手土産準備
沖縄県内の営業 個人商店・地元密着店の多くが休業。観光地の店舗は営業多い 大型スーパー・コンビニ・観光施設は通常営業
銀行・役所 本土と同じ平日扱い(祝日ではない)・ATMは稼働 カレンダー上は平日・現金引き出しは可
子どもの夏休み 沖縄の夏休みは7月下旬〜8月下旬で旧盆と重なりやすい 家族帰省に好都合・宿題持参を忘れずに
服装 沖縄特有の高温多湿・35℃超え多い。アロハ・かりゆしウェア可 正装は本土ほど厳格でない・冷房対策の薄手羽織必須
香典・お中元 本土の相場と同様(3,000〜10,000円)・お中元持参は標準 のし袋は本土と共通・お中元は仕出しの予約も可
仏壇・お墓参り 沖縄の墓は本土と異なり大型・墓前会食を行う家系も 事前に親族から作法確認・お線香はヒラウコー使用

本土からの帰省者が最も間違えるのは「日付」です。本土の月遅れ盆(8月13〜16日)に休暇を取って沖縄へ行っても、現地の旧盆はもう終わっている、または始まっていないという事態が頻発します。必ず該当年の旧暦カレンダーで日付を確認してください。詳しい帰省ノウハウは 帰省・旅行2026年帰省ラッシュ予測 もご参照ください。

家族構成別 旧盆 5パターンシナリオ

旧盆の過ごし方は家族構成・出身地・帰省の有無で大きく異なります。編集部の取材実例から代表的な5パターンを整理しました。

家族パターン 13日(ウンケー) 14日(ナカヌヒー) 15日(ウークイ) 注意点
沖縄在住・三世代同居 朝からトートーメー準備・夕方家族全員で迎え火 親族訪問・お中元交換・墓前会食 夕方からウサンミ・夜ウチカビ焚き・道ジュネー鑑賞 長男家系は親族のホスト役・ウサンミ予約必須
本土→沖縄帰省(独身) 朝の便で那覇着・夕方実家でウンケージューシー 親戚回り・お中元持参・夜は同窓会も 夕方からウサンミ会食・夜の便で本土へ 航空券は3-4ヶ月前予約・お中元は事前手配
本土→沖縄帰省(子連れ) 朝の便で那覇着・実家でゆっくり休息 子供は祖父母と過ごす・親はお中元配り 道ジュネー観覧・翌日の便で本土へ 子供の宿題・冷房対策・薬の準備
嫁ぎ先で初の旧盆 義母からウンケージューシーの作り方を学ぶ 義実家の親族訪問先に同行・挨拶回り ウサンミ・ウチカビの作法を学びながら参加 義実家の作法を最優先・本土流を持ち込まない
本土在住・沖縄出身(帰省できず) 自宅の簡易仏壇でウンケージューシーを供える 家族写真・トートーメーの前で読経 沖縄物産店で買ったウチカビをベランダで焚く マンションは火気禁止の場合も・代替手段検討

各パターンの実例・準備ノウハウは 初盆・新盆ガイド帰省・旅行仏事・行事 もご参照ください。

旧盆中に避けるべきNG行動(実務リスト)

沖縄では旧盆中に避けるべき行動・配慮事項が複数あります。本土から帰省する側・本土在住の沖縄出身者ともに知っておきたい点を整理しました。

NG行動 理由 代替・配慮
本土盆の感覚で日程を組む 旧盆は毎年日付が動く。本土盆と1〜3週間ずれる年もある 必ず該当年の旧暦カレンダーを確認
ウークイ(送り)の早い時間に帰る 送り盆は深夜近くに行うのが伝統 夜遅くまで残るか、翌日早朝の便で帰る
義実家で本土流の作法を主張 沖縄の作法は地域・家系で細かい違い 義母・義姉から学ぶ姿勢を最優先
道ジュネー中の青年会への無断撮影 祭礼であり観光ショーではない 撮影は声をかけてから・配慮ある距離で
ウチカビをマンションのベランダで焚く 火災・近隣トラブル・条例違反のリスク 規約・条例を確認・代替手段を検討
仕出しウサンミの直前予約 1〜2ヶ月前から予約が埋まる 遅くとも1ヶ月前、可能なら2ヶ月前予約
香典袋を本土の白黒で持参 沖縄でも白黒で問題ないが地域差あり 地域の慣習を事前確認・親族に相談
結婚式・お祝い事の挙行 先祖供養の時期に新たなお祝いは避ける 旧盆前後を避け、9月中旬以降に

これらは現代では絶対NGではありませんが、年配の親族・地域の方々に配慮する家庭では今も意識される習慣です。本土からの帰省者は「沖縄の流儀を学びに行く」という姿勢で臨むのが、長く良好な親族関係を保つコツです。

旧盆 よくある質問(FAQ 14問)

Q1. 旧盆とは何ですか?

旧暦7月13〜15日の3日間に行われるお盆のことです。明治の改暦(1872年)後も沖縄全域・奄美地方では旧暦に従ってお盆を継承しており、新暦では毎年8月中旬〜9月上旬に変動します。3日間はそれぞれウンケー(迎え)・ナカヌヒー(中日)・ウークイ(送り)と呼ばれ、儀礼的な役割が明確に定義されています。

Q2. 2026年の旧盆はいつですか?

2026年(令和8年)の旧盆は8月25日(火)〜8月27日(木)です。8月25日がウンケー(迎え)、26日がナカヌヒー(中日)、27日がウークイ(送り)に当たります。本土の月遅れ盆(8/13-16)から約12日後にあたるため、本土盆の感覚で帰省を組まないよう注意が必要です。

Q3. なぜ沖縄だけ旧盆なのですか?

沖縄の旧暦文化が地域に深く根付いており、明治の改暦後も継承されました。琉球王国〜沖縄県の歴史的経緯、薩摩藩支配下からの奄美の独自性、潮汐・農作業・漁業を旧暦で管理する生活文化、戦後27年間の米軍統治下で本土と異なる行政体系にあったこと(沖縄)など複数の要因が背景にあります。

Q4. 旧盆と本土の月遅れ盆の違いは?

暦(旧暦 vs 新暦)・日数(3日 vs 4日)・日付固定性(変動 vs 固定)・呼称(シチグヮチ等 vs お盆)・独自風習(エイサー・ウチカビ等 vs 盆踊り・精霊流し等)が異なります。同じ8月でも根拠が根本的に違います。詳細は お盆 いつから いつまで をご参照ください。

Q5. 旧盆の正確な日付の調べ方は?

国立天文台 暦計算室 の暦表で旧暦から新暦への変換が確認できます。沖縄県内では琉球新報・沖縄タイムスの新聞や、沖縄県発行のカレンダーに旧暦が併記されています。本土在住の方も同サイトで毎年確認するのが確実です。

Q6. 奄美も旧盆ですか?

はい。奄美大島・徳之島・喜界島・沖永良部島・与論島の奄美群島は旧盆を継承しています。地域によって「八月踊り」「夏目踊り」など独自の風習があり、沖縄エイサーとは異なる輪舞型の盆踊り文化が特徴。詳細は 奄美のお盆 へ。

Q7. 旧盆中に沖縄旅行はできますか?

可能ですが、航空券・ホテル・レンタカーが本土盆並みに高騰・混雑します。地元密着の個人商店は休業も多く、観光より親族行事の雰囲気が強い時期です。観光地・大型商業施設は通常営業しているため、観光自体は問題ありません。3〜4ヶ月前予約推奨。

Q8. ウチカビとは何ですか?

あの世のお金として焚き上げる沖縄独自の紙銭です。黄色い紙に銭模様が打ち込まれており、ウークイ(送り盆・15日夜)にご先祖へのお小遣いとして焚きます。沖縄県内のスーパー・仏具店で1束5枚300〜500円程度で購入可能。家族の人数や故人への思いに応じて束数を増やします。

Q9. 本土から沖縄へ嫁いだ場合、旧盆はどうしますか?

嫁ぎ先の習慣に合わせるのが一般的です。義実家でウンケージューシーやウサンミの作り方、ウチカビの焚き方、ヒラウコーの使い方を教わりながら参加します。沖縄独自の作法は地域差・家系差もあるため、義母・義姉・親戚から学ぶ姿勢が重要。本土流を持ち込まないことが、長く良好な親族関係を保つコツです。

Q10. 旧盆中に沖縄県内は祝日ですか?

カレンダー上は平日扱いで、銀行・役所・大型スーパー・コンビニは通常営業します。ただし個人商店や地元密着店の多くは休業し、地域全体の雰囲気は祝日に近くなります。学校は夏休み期間中なので、子供は一日中親族と過ごせます。

Q11. 本土に住む沖縄出身者はどう旧盆を過ごしますか?

自宅に簡易な仏壇を設けてウンケージューシーを供えたり、沖縄物産店で購入したウチカビをベランダで焚いたりと、本土事情に合わせた工夫で実施するケースが一般的です。マンションで火気禁止の場合は写真供えや代替手段で対応する家庭も。沖縄に帰省する家庭も多く、3〜4ヶ月前から航空券確保が必須です。

Q12. 旧盆と中元節(中国)は同じですか?

起源は同じです。両者とも『盂蘭盆経』に由来し、旧暦7月15日に先祖供養を行う点で共通します。沖縄の旧盆は中華圏の中元節と日付が一致するため、東アジア共通の先祖供養文化の現役継承形と言えます。仏教との関係お盆の歴史 もあわせて参照ください。

Q13. 沖縄のお墓参りは本土と何が違いますか?

沖縄の伝統的な墓は「亀甲墓(かめこうばか)」「破風墓(はふばか)」など本土より大型で、墓前に親族が集まって会食する文化があります(ただし近年は規模縮小傾向)。お線香はヒラウコー(板状6本)を使い、お供えはウサンミの一部を分けて持参します。墓地までのアクセス・駐車場確認も本土より重要です。

Q14. エイサーは観光客も見学できますか?

各集落の道ジュネーは地域の祭礼で観光ショーではないため、見学は配慮が必要です。一方、旧盆翌週末に開催される「沖縄全島エイサーまつり」(沖縄市主催)は観光客に開かれた大規模イベントで、本土からの観光客も自由に観覧できます。集落の道ジュネーを見る場合は、地元観光協会・宿泊先に事前に確認するのが望ましいです。詳細は エイサー完全ガイド

関連記事・参考資料

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参考文献・引用ソース

本ページは kyosei-tairyu.jp 編集部 が制作・更新しています。広告・更新ポリシーは about をご参照ください。本記事は2026年最新情報に基づき執筆。年次更新は毎年4〜5月に実施します。

公開日:2024年6月1日 / 最終更新:2026年5月6日

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