五歳の七五三のお祝いは「袴着の儀」が由来となっており、この日より自分で袴をはくという自立の儀式の意味合いもあるものでした。また、地方によっては子供が碁盤の上に立って吉方位を向き、「因みの親(ちなみのおや)」や「袴親」と呼ばれる年長者が袴の紐を結んだという風習も伝わっています。
ですので、五歳の男の子の和装の祝い着の主役は袴であり、紋付羽織袴姿が基本となっています。五つ紋付きで鷹や兜、宝づくしなどの吉祥文様の羽織に、黒や紺などの無地か仙台平と呼ばれる縞の袴を合わせます。また、懐に守り刀、手には白い末広(扇子)を持たせるのが正式なスタイルとなっています。足許はかかとの低い雪駄を合わせます。男の子の羽織袴はりりしさが大切。髪型も櫛目を入れるなどしてすっきり整えると良いでしょう。末広や半襟、雪駄の鼻緒の白色が映える、清々しい装いを心がけたいものです。