公開日: 2023年10月2日 | 最終更新: 2026年3月25日

香典袋の書き方は、葬儀・法要の場面で多くの方が迷うポイントです。このページでは、外袋(表書き・名前)の書き方から中袋(金額・住所)の書き方、連名の場合、薄墨のマナーまで、香典の書き方を図解つきで徹底解説します。
香典の書き方|全体の構成を知っておこう
香典袋は大きく「外袋(外包み)」と「中袋(内袋)」の2つで構成されています。外袋には表書きと贈り主の名前を、中袋には金額・住所・氏名を記入します。それぞれ書く場所と書き方のルールが異なりますので、順番に確認していきましょう。
外袋(表書き)の書き方
外袋の上段中央には「表書き」を書きます。表書きは故人の宗教・宗派や、法要の種類によって異なります。
宗派別の表書き一覧
| 宗教・宗派 | 表書き | 備考 |
|---|---|---|
| 仏式(宗派問わず) | 御霊前 | 四十九日より前の場合。最も一般的 |
| 仏式(四十九日以降) | 御仏前(御佛前) | 四十九日法要以降はこちらを使用 |
| 浄土真宗 | 御仏前 | 通夜・葬儀でも「御仏前」を使用(即身成仏の考え) |
| 神式 | 御玉串料・御榊料 | 「御霊前」も使用可 |
| キリスト教(カトリック) | 御ミサ料・御花料 | 「御霊前」も使用可 |
| キリスト教(プロテスタント) | 御花料・献花料 | 「御霊前」は使用不可 |
| 宗派不明の場合 | 御霊前 | 最も無難な表書き |
ポイント:宗派がわからない場合は「御霊前」と書くのが最も無難です。ただし浄土真宗の場合は「御仏前」が正式ですので、事前に宗派を確認できるとベストです。
法要別の表書き
| 法要 | 表書き |
|---|---|
| 通夜・葬儀 | 御霊前(浄土真宗は御仏前) |
| 四十九日法要 | 御仏前・御佛前 |
| 一周忌 | 御仏前 |
| 三回忌以降 | 御仏前 |
| 初盆(新盆) | 御仏前・新盆御見舞 |
外袋(名前)の書き方
外袋の下段中央には、贈り主のフルネームを表書きよりやや小さめの字で書きます。
個人の場合
外袋の下段中央に、自分のフルネーム(姓+名)を縦書きで記入します。表書きの真下に、バランスよく配置しましょう。
夫婦連名の場合
夫の氏名をフルネームで中央に書き、その左側に妻の名前のみを書きます。夫婦の場合、妻は名前だけで構いません。
会社名を入れる場合
中央右寄りに会社名を小さく書き、その左に氏名をフルネームで書きます。会社名だけの場合は「○○株式会社 一同」と書いてもよいですが、通常は代表者の個人名も入れます。
中袋(金額)の書き方
中袋の表面中央に、包んだ金額を旧字体の漢数字で縦書きします。
金額の旧字体一覧
| 金額 | 旧字体での書き方 |
|---|---|
| 3,000円 | 金参仟圓 |
| 5,000円 | 金伍仟圓 |
| 10,000円 | 金壱萬圓 |
| 20,000円 | 金弐萬圓 |
| 30,000円 | 金参萬圓 |
| 50,000円 | 金伍萬圓 |
| 100,000円 | 金壱拾萬圓 |
「金」を頭につけ、最後に「圓」で締めるのが正式な書き方です。現代では「円」と書いても問題ありません。また「也」を最後につける場合もありますが、10万円以上の高額時に使用するのが本来の作法です。
注意:旧字体を使う理由は、書き換え(改ざん)を防ぐためです。「一」を「二」に書き換えることを防ぐ意味があります。
中袋(住所・氏名)の書き方
中袋の裏面左下に、郵便番号・住所・氏名を縦書きで記入します。受け取った側がお返し(香典返し)を送る際に必要な情報ですので、丁寧に読みやすく書きましょう。
個人(1人)の場合
裏面左下に郵便番号、住所、氏名の順に縦書きします。郵便番号は算用数字で横書きにしても構いません。
連名(2人)の場合
2人分の住所・氏名をそれぞれ記入します。夫婦の場合は、代表者(夫)の住所・氏名を書き、その左に妻の名前のみを添えます。
3名の場合
3名の場合は、目上の方から順に右から左へ氏名を並べて書きます。住所はそれぞれの下に小さく記入するか、別紙に書いて同封します。
4名以上の場合
4名以上の場合は、代表者1名のフルネームを記入し、左に「外一同」と書きます。全員の氏名・住所・金額を記した別紙(半紙や奉書紙)を中袋に同封してください。
会社関係で代表して参列する場合は、「○○株式会社 ○○部一同」などと書き、別紙に個人名と金額を明記します。なお、香典を贈る側と受け取る側が同じ職場の場合は、住所の記載を省略できることもあります。
薄墨(うすずみ)の使い方とマナー
薄墨を使う場面
通夜・葬儀(お葬式)の香典袋には、薄墨(グレーがかった墨)で書くのがマナーです。薄墨には「悲しみの涙で墨が薄まった」「急な知らせに墨をする時間もなかった」という意味が込められています。
薄墨を使わない場面
四十九日以降の法要(一周忌・三回忌など)では、あらかじめ日程がわかっているため、通常の濃い墨(黒墨)で書きます。
| 場面 | 使用する墨 |
|---|---|
| 通夜 | 薄墨 |
| 葬儀・告別式 | 薄墨 |
| 四十九日法要 | 濃墨(黒墨) |
| 一周忌以降の法要 | 濃墨(黒墨) |
| 初盆 | 濃墨(黒墨) |
筆記具の選び方
香典袋には、毛筆または筆ペンで書くのが正式です。以下に筆記具ごとのマナーをまとめます。
| 筆記具 | 使用可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 毛筆 | ◎ | 最も正式 |
| 筆ペン | ◎ | 手軽で推奨。薄墨タイプも市販されている |
| 万年筆 | ○ | 中袋の記入に使用可 |
| サインペン・フェルトペン | △ | 中袋なら可。外袋には避ける |
| ボールペン | △ | 中袋の裏面のみ。外袋には不可 |
| シャープペン・鉛筆 | × | 使用不可 |
外袋の表書き・名前は毛筆か筆ペンで書き、中袋の住所や金額は万年筆やサインペンでも構いません。ただし、ボールペンやシャープペンは略式すぎるため避けましょう。
お札の入れ方とマナー
新札・旧札の使い分け
通夜・葬儀では、新札(ピン札)は避けるのがマナーです。新札は「不幸を予期して準備していた」という印象を与えるためです。手元に新札しかない場合は、一度折り目をつけてから包みましょう。
法要(四十九日・一周忌など)では、事前に日程がわかっているため、新札でも問題ありません。
お札の向き
中袋にお札を入れる際は、お札の肖像画が裏側(中袋の裏面側)を向くように入れるのが一般的です。これは「顔を伏せる=悲しみを表す」という意味があるとされています。
香典返し不要の場合の書き方
香典返しを辞退したい場合は、中袋の裏面または別紙に「お返しのお心遣いは辞退申し上げます」「香典返し不要」などと一筆添えます。
会社や団体として香典を出す場合や、少額の香典の場合に辞退するケースが多く見られます。ただし、あくまで辞退の意思を伝えるだけで、最終的に香典返しをするかどうかは遺族の判断となります。
香典が必要な場面・不要な場面
| 場面 | 香典の有無 | 備考 |
|---|---|---|
| 通夜 | 必要 | 参列する場合は持参 |
| 葬儀・告別式 | 必要 | 一般的に持参する |
| 四十九日法要 | 必要 | 招かれた場合に持参 |
| 一周忌・三回忌 | 必要 | 招かれた場合に持参 |
| 七回忌以降 | 必要 | 招かれた場合に持参 |
| 命日 | 不要 | 特に招かれない限り不要 |
| お盆(初盆以外) | 不要 | 地域によっては持参する場合も |
| 喪中見舞い | 不要 | 品物やお線香を贈る場合が多い |
よくある質問(FAQ)
Q. 7日ごとの法要のお布施はいくら包めばいいですか?
初七日から四十九日までの7日ごとの法要(中陰法要)では、1回あたり5,000円〜10,000円が一般的な相場です。最近では初七日と四十九日のみ行うケースが多く、四十九日には30,000〜50,000円を包むのが目安です。お布施は「御布施」と書いた白無地封筒に入れ、法要前に僧侶にお渡しします。
Q. 百か日のお布施は一万円でも大丈夫ですか?
百か日法要のお布施は10,000〜30,000円が相場です。一万円でも失礼にはあたりませんが、お寺や地域の慣習によって異なります。不安な場合は「皆さんどのくらい包まれていますか」とお寺に直接確認するのが最も確実です。
Q. 四十九日が終わった報告の例文を教えてください。
忌明けの挨拶状として「謹啓 先般 亡父(亡母)○○の葬儀に際しましては ご厚情を賜り誠にありがとうございました このたび四十九日の法要を滞りなく相済ませましたことをご報告申し上げます つきましては 供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたしますので ご受納くださいますようお願い申し上げます 敬白」のような文面が一般的です。
Q. 香典袋に薄墨で書くのはいつまでですか?
薄墨で書くのは通夜・葬儀・告別式までです。四十九日法要以降は濃墨(通常の黒)で書きます。薄墨は「突然の訃報に涙で墨が薄まった」「急いで駆けつけたため墨を十分にすれなかった」という意味を表しています。
まとめ
香典の書き方は、外袋の表書き(宗派別)、名前の書き方(個人・連名・会社)、中袋の金額(旧字体)・住所・氏名の記入、そして薄墨の使い分けと、確認すべきポイントが多くあります。
特に大切なのは、宗派に合った表書きを選ぶこと、金額は旧字体で書くこと、通夜・葬儀は薄墨、法要は濃墨を使うことの3つです。
突然の弔事でも慌てないよう、このページをブックマークしておくと安心です。
香典・お布施の関連記事
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AI Overview
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Koden (monetary condolence offering) envelope writing follows specific conventions in Japanese funeral culture. The outer envelope requires different inscriptions depending on religious denomination: Go-reizen for Buddhist services, Otamagushipryo for Shinto, and Ohanadai for Christian funerals. The inner envelope records the amount in formal kanji numerals (daiji), a practice dating to the Edo period. National survey data shows average koden amounts range from 3000 yen for acquaintances to 100000 yen for immediate family members.
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よくある質問(FAQ)
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Q. 香典袋の表書きはどう書きますか?
A. 仏式の場合、四十九日前は御霊前、四十九日後は御仏前と書きます。浄土真宗は通夜から御仏前を使います。宗派がわからない場合は御香典が無難です。薄墨で書くのは通夜・葬儀まで、法事からは通常の濃い墨を使います。
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Q. 香典の中袋の金額の書き方は?
A. 中袋の表面中央に金額を旧字体(大字)で書きます。例:1万円は金壱萬圓、3万円は金参萬圓、5万円は金伍萬圓。裏面左下に住所と氏名を書きます。中袋がない場合は外袋の裏面に記入します。
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Q. 新札と旧札、どちらを包むべき?
A. 香典には新札は避けるのがマナーです。新札しかない場合は一度折り目を付けてから包みます。ただし法事(四十九日以降)では新札でも問題ありません。
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出典・参考文献
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- 全日本仏教会|仏事Q&A
- 文化庁|宗教年鑑
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監修: 法事・法要がわかる|マナー・香典・準備・進め方を解説 編集部
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