憲法記念日とは

きちんとした固い言葉で言う「憲法記念日」とは、その国が憲法を採用し、その憲法に従って国を運営することです。
憲法を持つ国は、この日を祝日にしていることが多いようです。

日本では、1947年・昭和23年、5月3日に『日本国憲法』が施行されました。
1948年・昭和24年の公布・施行の「祝日法」によって、5月3日が国民の祝日と制定されています。

「憲法記念日」の趣旨は、「日本憲法の施行を記念し、国の成長を期する日」と定められました。
正確には、「日本国憲法」は1946年11月3日に公布がされましたが、施行は半年経った1947年の5月3日です。
現在のゴールデンウィークの真ん中あたりになります。

11月3日の公布日を「憲法記念日」とする案もあったようですが、様々な思惑から外されて、日本国憲法が『平和と文化』を重視していることから、この日は「文化の日」としての祝日と残されました。

しかし、この「新しい日本の出発」とされた『憲法』は、アメリカ進駐の元での憲法でもありました。
その後60年以上、日本は律儀にその『憲法』を守ってきています。
全世界の国々の憲法は、より良い方向へと適宜改正されてきていますが、日本の『憲法』はまだ一度も改正されていません。

それだけ『平和と文化』を重視したこの『憲法』は、優れたものとされているのでしょう、か?

憲法記念日の由来や意味は

憲法記念日の由来と意味を考える際、『日本国憲法』を理解しなければなりません。
なんとなく新聞やテレビのニュース等で、知ったように感じていましたが、流石に難しいと思いました。
現在この日本の国に住んで暮らしている日本人が、どのくらい「憲法や記念日」について理解できているのかは疑問ですが、難しい憲法の話はその中身を知ることから始めなくてはならないようです。

日本国憲法は、前文と11章103条の本文で構成されているそうです。
『国民主権』『戦争放棄』『基本的人権』の3本を、基本理念としています。

この日本国憲法は、終戦後のアメリカ進駐の中で、アメリカ主導で作成されたものとされています。
中身は、非常に難しいのですが、要約すると先の3本の基本理念となります。

再び戦争を自ら起こすことのないように、政党に選挙された国会の代表者によっての政治が行われ、国民に主権があると宣言。
日本の国民は、恒久の平和を念願して、平和を維持し、全世界の国民が平和のうちに生存する権利を確認する、と言うのが趣旨のようです。

第一章は、『天皇』についての記述です。
天皇は日本国の象徴であり、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく、とされています。
現行の様々な天皇家に関する『皇室典範』も、ここに定められていました。
私達の理解できる範囲や見聞による、「内閣総理大臣の任命」「最高裁判官の任命」「外国の大使などの接受」「儀式を行う」等々が、実に細かく定められています。
お年を召された現在の天皇陛下の勤勉さは、日本国憲法に定められたもので、なんだか『憲法で縛られておいでのよう』と感じました。

第二条は、『戦争の放棄』です。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動である戦争と、武力の威嚇や行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄する。
現在、国会で改正を巡って大騒ぎになっている原因です。
『戦争放棄』も、もちろん国民の総意ということになっていますし、世界に誇れる憲法なのでしょうが、難しい問題ですね。
なにしろ、アメリカの進駐下での作成のようですから…。

第三章は、『国民の権利および義務』についてです。
国民は、全ての基本的人権の享有を妨げられない、憲法が保障する基本的人権は永久の権利として国民に与えられる。
更に、国民は個人として尊重され、法の下に平等であり、国民は不断の努力によってこれを保持しなければならない、等々難しい言葉は続いています。

公務員の選定、信教の自由、集会や言論・出版の自由、居住や移転の自由、学問や婚姻に至るまで、実に細かく制定がされていますが、先に述べたように一般の日本人がどのくらいこの憲法を知っているのかは、疑問の多いところです。

第四章は『国会』、第五章は『内閣』、第六章は『司法』、第七章は『財政』、第九章は『改正』と続いていきます。
この膨大な『日本国憲法』の作成は、多くの当時の日本人の努力の結果と聞いたことがあります。
アメリカの進駐下での、攻防を描いた本や映画があったことを思い出しました。

様々な複雑な経緯を経て、『憲法記念日』は祝日と制定されています。
ゴールデンウィークの真ん中に位置するこの「憲法記念日」が、目立つことなく、なんとなく埋没しているように感じるのは、なぜでしょうか。
家族でも友人同士でも良いですから、この日の意味を話し合うチャンスにして欲しい気がしていますが…。