2017年の夏も暑いですね、夏バテ気味になる時期に食べるウナギと関連の深い「土用丑の日」についてです。

「土用丑の日」の季節になればコンビニやスーパーなどで「うなぎ」の文字がたくさん並ぶことになりますが、なぜうなぎを食べるのか、2017年はいつ頃が「土用丑の日」にあたるのかを紹介していきます。

2017年の土用丑の日はいつ?

7月25日(火)

8月6日(日)

2017年は丑の日が2回ある年になります。毎年2回土用丑の日があるわけではなく1回の年もあれば2回ある時もあります。これらは季節の節気に関連しています。

夏の土用には丑の日が年に1日か2日(平均1.57日)あり、2日ある場合はそれぞれ一の丑・二の丑という。

土用丑の日というのは夏だけのものではなく春夏秋冬にそれぞれあります

2017年の土用丑の日

  • 冬:1月26日(木)
  • 春:4月20日(木)、5月2日(火)
  • 夏:7月25日(火)、8月6日(日)
  • 秋:10月29日(日)

ではこの土用丑の日というのはどのように決められているのか?なぜ「うなぎ」を食べる習慣があるのかをこの後、紹介していきます。



土用丑の日ってなに?

土用丑の日というのは一体何なのか、毎年決まった日が定められているのか?などを紹介します。

土用丑の日というのは「土用」と「丑の日」の2つを合わせて言われているもので、それぞれが交わった日が「土用丑の日」として季節の節気に深く関係のあるものになります。

土用とは

土用(どよう)とは、五行に由来する暦の雑節である。 1年のうち不連続な4つの期間で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつである。 俗には、夏の土用(立秋直前)を指すことが多く、夏の土用の丑の日には鰻を食べる習慣がある。 各土用の最初の日を土用の入り(どようのいり)と呼ぶ。

五行とは
五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である。
また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。
西洋の四大元素説(四元素説)と比較される思想である。

丑の日とは

なぜ「うなぎ」を食べるの?

土用丑の日のうなぎ
うなぎは栄養価が高く古くは万葉集にも乗っているほど昔から食されている記録があります。日本の暑い夏を乗り切るために昔の時代は現代ほど食べ物が豊富にあったわ毛ではなく、栄養価の高い食べ物は重宝されていました。

土用丑の日はいつ頃から行われている?由来や歴史

「鰻」は確かに栄養価が高く夏を乗り切るにはうってつけの食べ物ですが、土用丑の日にうなぎを食べる習慣が生まれたのは、文政5年(1822年 – 1823年)当時の話題を集めた『明和誌』(青山白峰著)によれば、安永・天明の頃(1772年 – 1788年)よりの風習であるという。

通説(平賀源内説)

うなぎを食べる習慣については諸説ありますが、通説になっているものの中には要約すれば「商売がうまく行かない鰻屋(知り合いの鰻屋というパターンもある)が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の元に相談に赴いた。

源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、その鰻屋は大変繁盛した。
その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した」というもの。

というのが土用丑の日にうなぎを食べる週間の始まりとされています。
鰻にはビタミンA・B群が豊富に含まれているため、夏バテ、食欲減退防止の効果が期待できるとされていますが、栄養価の高い食品で溢れる現代においてはあまり効果がは期待できないとされています。

しかし、「うなぎの旬」は実は冬、そのため夏場ではあまり売れなかったうなぎの商売をするために始まったのが夏の土用丑の日にうなぎを食べる習慣です。

現在でも残っているくらい人気になった夏の「土用丑の日のうなぎ」は商売繁盛のために考えられたものではありますが、みんなの楽しんでもらっていることで素敵な風習として残っています。

wiki参照

万葉集に出てくる土用丑の日のうなぎ

土用丑の日のうなぎのルーツになったとされている万葉集の一節を紹介しています。現在出版されているほんでは、現代の言葉で説明付きで分かりやすく紹介されています。

原文
石麻呂尓吾物申夏痩尓吉跡云物曽武奈伎取喫
訓読文
石麻呂に吾(われ)物申す夏痩せに良しといふ物ぞ鰻(むなぎ)漁(と)り食(め)せ
てけと訳
「俺は石麻呂に言ってやったのさ、夏痩せにはウナギがいいらしいから、とってきて食いなって」
(『万葉集』巻十六の3853、岩波文庫)

原文
痩々母生有者将在乎波多也波多武奈伎乎漁取跡河尓流勿
訓読文
痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻(むなぎ)を漁(と)ると川に流るな
てけと訳
「(夏バテして)げっそり痩せても生きていられればいいんだから、万が一にでもウナギなんかとりにいって、川に流されるなよ!」
(『万葉集』巻十六の3854、岩波文庫)