花粉症の対策

花粉症は、近年猛威をふるっているⅠ型(いちがた)アレルギー疾患の一つです。
植物の花粉が鼻や目の粘膜に接触して、引き起こされる症状「くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ・涙目」などが特徴です。
鼻関係の症状はアレルギー性鼻炎、目関係の症状は季節性アレルギー性結膜炎と分類されています。

一般的には、杉花粉が原因のアレルギー症状が多いのですが、杉以外にも花粉症を引き起こす植物は60種以上もあるとされています。
春先に大量に飛散するスギの花粉が原因である場合は、その70~80パーセントの割合で、ヒノキ花粉にも反応するそうです。
また、「イネ科花粉症」の場合には、個別の植物ではない「イネ科の植物」の花粉に反応するのだそうです。

スギの少ない北海道では、スギ花粉症の人は少ないかわりに、イネ科やシラカバの花粉症が多いなど、かなり地域差もあります。
花粉症の原因となる植物は、風媒花と呼ばれる風に花粉を乗せて飛散するものが大半です。
なお、イネ科である米の稲は、開花期が早朝で短く、水田栽培であるために、花粉症の原因になることは少ないそうです。
イネ科というと稲を連想してしまいますが、日本で稲花粉症になってしまっては悲惨でもありますね。

これ等の原因花粉の解明には、アレルゲン検査が必要ですが、一般的には一番多いスギ・ヒノキ花粉の飛散時期に注意しておくことです。
花粉症の治療と対策は、耳鼻科やアレルギー専門科での診察と治療が最善でしょう。
花粉症の直接原因であるアレルゲンの特定から、それぞれの花粉症に対するきちんとした治療法を受けるべきだからです。

比較的安全な治療法として、漢方薬による治療法もあります。
同じように、ハーブを利用しての発症抑制や緩和も注目されています。
「中国茶の甜茶」や「日本茶のべにふうき」のように、「花粉症」には様々なお茶の効能も報じられていますから、個人個人の体質に合わせて、服用してみるのも一つの方法でしょう。

直接的には、アレルゲンである花粉との接触の対処法もあります。
基本的に、「外では花粉が飛散している」ことを念頭に置いておいてください。

外出時のマスクやゴーグル着用も考えに入れた場合、それらは隙間のなるべく無いものが有効です。
室内に花粉を持ち込まないよう、花粉の付きにくい上着の着用や、帰宅したら玄関前で服を払うことも有効策の一つです。
同時に洗濯物の取り込みの際も、よく叩いたりブラシをかけたりしましょう。

外から室内に入ってくる花粉への対策は、掃除機よりは濡れ雑巾や最近の流行の「スチームモップ」などが良いでしょう。
空気清浄機や清浄効果のあるエアコンなどは、室内の浮遊している花粉の除去をしてくれます。
加湿器も、浮遊している花粉を湿らせて落下させるとして有効のようですし、部屋に濡れたタオルを干す方法も簡単です。

更に、アレルギー症状を高めてしまう要因として、「ストレス」があげられます。
不規則な生活や睡眠不足、過労、精神的ストレスなどは、なるべく避けるようにしましょう。
高タンパク・高脂肪の洋風の食事は避け、日本本来の[和食」に戻すのも一つの手です。

喫煙も、自分自身のためだけではなく、家族や他人にも少なからぬ迷惑が掛かっていますから、注意しましょう。
鼻洗浄、目の洗浄、スチーム療法や蒸しタオルも有効のようですが、治療法などはなるべく自己流は避けて、専門家の指導を受けるようにしてください。
コンタクト使用よりは、めがねの方が安心ですが、どうしてもコンタクトを使用したい人は[1日だけの使い捨てタイプ]がお勧めです。

花粉症の時期はいつから?

スギ花粉の発見者・斉藤洋三氏は、東京医科歯科大学所属の際、毎年同時期に患者が急増することで『花粉症」を確認したそうです。
毎年その年の「スギ花粉発生」の多少が発表されていますが、花粉症の患者にとっては大問題といえます。

日本は南北に長い地形のため、非常に地域の差はありますが、花粉症のアレルゲンによって飛散時期は変わってきます。
風による風媒花は、非常に長い距離を飛ぶからです。
スギ花粉は本州に多く、北海道ではシラカンバ花粉が多い、などの地域的特長もあります。

一般的なスギ花粉は、2月から4月いっぱいまでで、関東地方は一番長くて1月後半から5月始めまでとなっています。
スギに次いで花粉症の多いヒノキは、全国的で3月から5月始めになります。
北海道に多いシラカンバは、4月後半から6月までで、東北や関東でも注意が必要な地域もあるようです。

問題はイネ科で、全国的に広がっていて、時期も真冬の時期こそ少ないのですが、4月から10月と長い期間が特徴です。
ブタクサとヨモギなどは、8月後半から11月の秋に多いようです。
その他の花粉はアレルゲンとしては多くはないようですが、花が咲く時期に注意が必要で、おおむね春が多いのですようですので調べてみてください。