公開日: 2022年1月25日 | 最終更新: 2026年4月7日
2月上旬(1〜10日)は、節分と立春という日本の伝統行事が重なる特別な時期です。時候の挨拶には「厳冬の候」「立春の候」「余寒の候」など、冬の厳しさと春の予感が混在した豊かな表現が揃っています。
この記事では、2月上旬の時候の挨拶を漢語調・和語調・カジュアルに分けて10パターン以上紹介し、手紙・メール・ビジネス文書別の書き方も丁寧に解説します。
2月上旬の時候の挨拶 一覧表(漢語調8選)
2月上旬(1〜10日)は厳冬の峠を越えつつも、まだ寒さが残る時期です。2月3日頃の「節分」、2月4日頃の「立春」が訪れ、暦の上では春が始まります。手紙や文書では「厳冬の候」「立春の候」など、寒さの中に春の気配を感じさせる表現が好まれます。この時期の時候の挨拶は「まだ寒いけれど、春が近づいている」という微妙なニュアンスを上手く捉えることが大切です。
| 表現 | 読み方 | 意味・特徴 | 使用時期 | 適した文書 |
|---|---|---|---|---|
| 厳冬の候 | げんとうのこう | 冬の厳しい寒さを表す。格式高い表現 | 1月〜2月上旬 | 改まった手紙・公用文 |
| 立春の候 | りっしゅんのこう | 二十四節気「立春」から。暦上の春始まり | 2月4日〜2月下旬 | 手紙・ビジネス文書 |
| 節分の候 | せつぶんのこう | 節分の時期を表す。季節の変わり目 | 2月3日前後 | 手紙・カード |
| 寒明けの候 | かんあけのこう | 寒の明け(立春)を迎えた頃 | 2月4日以降 | 手紙・メール |
| 余寒の候 | よかんのこう | 立春後も残る寒さを表す | 2月上旬〜中旬 | 手紙・ビジネス文書 |
| 春寒の候 | しゅんかんのこう | 春になっても感じる寒さ。風情ある表現 | 2月上旬〜中旬 | 改まった手紙 |
| 梅花の候 | ばいかのこう | 梅の花が咲く頃を表す | 2月上旬〜3月上旬 | 手紙・メール |
| 向春の候 | こうしゅんのこう | 春に向かっていく頃。前向きな表現 | 2月全般 | 手紙・ビジネス文書 |
書き出し例文 11パターン(漢語調・和語調・カジュアル)
漢語調の時候の挨拶(「〇〇の候」)は、改まった手紙や公用文・ビジネス文書の冒頭に置く格式ある表現です。2月上旬の場合、立春(2/4頃)を境に使える表現が変わります。立春前なら「厳冬の候」、立春後なら「立春の候」「余寒の候」が適切です。「余寒」は「残寒」とも表現でき、春になっても続く寒さを詩的に言い表しています。
| 種別 | 表現パターン | 書き出し例文(全文) |
|---|---|---|
| 漢語調① | 厳冬の候 | 厳冬の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。 |
| 漢語調② | 立春の候 | 立春の候、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
| 漢語調③ | 余寒の候 | 余寒の候、貴社のご清栄をお慶び申し上げます。 |
| 漢語調④ | 春寒の候 | 春寒の候、皆様のご活躍をお慶び申し上げます。 |
| 漢語調⑤ | 梅花の候 | 梅花の候、ご清祥のこととお慶び申し上げます。 |
| 和語調① | 節分を迎え | 節分を迎え、鬼を追い払う声が聞こえてきそうな季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 |
| 和語調② | 立春とは名のみ | 立春とは名のみで、まだ寒さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。 |
| 和語調③ | 梅の便りが | 梅の便りが聞かれる頃となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。 |
| カジュアル① | まだまだ寒い | まだまだ寒い日が続いていますが、いかがお過ごしですか? |
| カジュアル② | 節分豆まき | 節分の豆まきの声が聞こえてくる季節になりましたね。お元気ですか? |
| カジュアル③ | 春の足音 | 少しずつ春の足音が近づいてきましたが、体調はいかがでしょうか。 |
結びの言葉
2月上旬の結びの言葉は、「まだ寒いのでお体に気をつけて」という気遣いを込めるのが基本です。「寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください」「余寒なお厳しい折、皆様のご健康をお祈り申し上げます」など、相手の健康を気遣う表現が2月上旬の手紙に最もふさわしい結びです。立春後なら「春の訪れとともに」という表現も使えます。
改まった手紙・ビジネス文書向け
・寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。
・余寒なお厳しい折、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
・立春とは申せ、まだ肌寒い日が続きます。どうかお体を大切になさってください。
・春の訪れとともに、貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
やわらかい表現(メール・親しい相手)
・まだ寒い日が続きますが、どうかお体に気をつけてお過ごしください。
・春はもうすぐです。お互い元気で過ごしましょう。
・節分を過ぎれば春も近いですね。またお会いできることを楽しみにしています。
節分・立春の基礎知識と時候の挨拶の関係
節分(2月3日頃)は「立春の前日」という意味を持ち、季節の変わり目を表す重要な節目です。「節分の候」という表現は2月3日前後のみ使える限定的な時候の挨拶ですが、その分インパクトがあります。一方「立春の候」は2月4日から使え、「暦上は春が来た」という希望のニュアンスを持ちます。
節分は本来、春・夏・秋・冬の各季節の始まりの前日を指す言葉でしたが、現在では特に「立春の前日(2月3日頃)」を指すようになりました。豆まきや恵方巻など日本独自の文化と結びついており、手紙でも季節感を出しやすい行事です。
立春は二十四節気の最初で、「春が始まる日」とされます。実際の気温はまだ低いことが多く、「立春とは名のみで…」という表現が2月上旬の手紙では頻繁に使われます。これは「暦では春でも、まだ寒い」という日本人の繊細な季節感を表した言い回しです。
具体的な使用シーン別 例文
シーン1: 取引先への新年最初の挨拶状
厳冬の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。旧年中は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。本年も変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
シーン2: お礼状(取引先・目上の方)
立春の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。先日はご多忙の中、お時間を頂戴しまして誠にありがとうございました。ご丁寧なご対応に心より感謝申し上げます。
シーン3: 友人・知人への近況報告
梅の便りが聞かれる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。こちらはおかげさまで家族一同元気に過ごしております。
シーン4: 目上の方への手紙
余寒の候、先生にはいよいよご健勝のこととお慶び申し上げます。春の訪れが待たれる今日この頃ですが、くれぐれもご自愛ください。
シーン5: ビジネスメール書き出し
節分を迎え、春の訪れが近づいてまいりました。いつもお世話になっております。このたびは〇〇の件についてご連絡申し上げます。
よくある失敗例と正しい使い方
失敗例1: 「立春の候」を2月3日以前に使う
「立春の候」は立春(2月4日頃)以降に使う表現です。それ以前に使うと暦と矛盾します。2月3日以前なら「厳冬の候」「節分の候」を使いましょう。
失敗例2: 「余寒の候」を1月に使う
「余寒」は「立春後に残る寒さ」を意味するため、立春前(1月・2月3日以前)には使えません。1月なら「厳寒の候」「大寒の候」を使いましょう。
失敗例3: 季節感とかけ離れた表現を選ぶ
「梅花の候」は梅が咲く頃の表現です。梅の開花が早い年・地域では2月上旬から使えますが、まだ咲いていない時期に使うと不自然です。地域の実際の季節感に合わせて選びましょう。
内部リンク・関連記事
2月の時候の挨拶については、以下の記事もあわせてご参照ください。
・2月の時候の挨拶 まとめ(全旬・TOP記事)
・2月中旬の時候の挨拶|バレンタイン・春寒の例文
・2月下旬の時候の挨拶|雨水・春暖の例文
・2月ビジネス向け時候の挨拶|メール例文と件名まとめ
・1月下旬の時候の挨拶|大寒・寒中の例文
参考資料・出典
・国立天文台 二十四節気(立春・節分について)
・文化庁 国語・日本語(手紙文の書き方・敬語)
よくある質問(FAQ)
2月上旬の時候の挨拶で「立春の候」はいつから使えますか?
「立春の候」は立春の日(2月4日頃)から使えます。それ以前に使うと暦と矛盾するため、2月1〜3日の手紙・メールには「厳冬の候」「節分の候」を使いましょう。立春の日付は毎年わずかに変わるため、前年の立春日を確認してから使うのがより正確です。
「余寒の候」と「春寒の候」の違いは何ですか?
「余寒の候」は「立春が過ぎても残る寒さ」を表す表現で、2月4日(立春)以降に使います。「春寒の候」は「春になっても感じる寒さ」という意味で、2月上旬〜中旬に使えます。どちらも立春後の寒さを表しますが、「余寒」の方がやや格式高い印象があります。
節分(2月3日)に出す手紙にはどんな時候の挨拶が合いますか?
節分の日(2月3日頃)に出す手紙には「節分の候」が最もふさわしいです。ただし使える期間が節分前後のみと短いため、「厳冬の候」や「向春の候」も併用できます。また「鬼を追い払う声が聞こえてきそうな季節となりましたが」のような口語調も季節感があって親しみやすいです。
2月上旬の時候の挨拶をビジネスメールに使う場合、どれが最適ですか?
ビジネスメールには「立春の候」「余寒の候」「向春の候」などがよく使われます。立春前(2月1〜3日)なら「厳冬の候」、立春後(2月4日〜)なら「立春の候」または「余寒の候」が適切です。メール形式であれば「立春を迎えましたが、まだ寒い日が続いております」のような口語調でも問題ありません。
手紙の書き出しで時候の挨拶の後に何を書けばよいですか?
時候の挨拶の後には「先方の健康・繁栄を祝う言葉」を続けるのが基本です。例えば「立春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。」のように、①時候の挨拶→②相手への慶賀の言葉→③日頃のお礼、という順で書くのが正式な手紙の書き方です。
監修: 時候の挨拶|例文・結びの言葉・季語がわかる 編集部
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