時候の挨拶 4月中旬|春色・惜春の書き出し例文と結びの言葉・手紙の書き方

公開日: 2026年4月7日 | 最終更新: 2026年4月8日

4月中旬(11日〜20日頃)は、桜の花びらが風に舞い、葉桜へと移りゆく「春たけなわ」の時期です。入学・入社からおよそ2週間が経ち、新たな環境での生活が本格的に動き始めるこの季節、丁寧な手紙やメールの書き出しは人間関係を深める大切な要素です。

本記事では、4月中旬にぴったりの時候の挨拶を漢語調・和語調・カジュアルに分けて11パターン紹介します。さらに漢語調8選の一覧表・例文テーブル・結びの言葉・よくある質問まで、必要な情報をすべて網羅しています。

参考:国立天文台「二十四節気とは」 / 文化庁「国語施策・日本語教育」

4月中旬の時候の挨拶とは?基本知識と特徴

4月中旬は桜の花びらが舞い散り、淡い緑の葉が顔を出す「葉桜」の季節です。春の盛りを惜しむ心情を「惜春(せきしゅん)」と呼び、時候の挨拶にもその情感を込めることができます。入学・入社から間もないこの時期、新たな環境での交流が深まるなか、丁寧な手紙・メールの書き出しは第一印象を左右します。本記事では4月中旬にふさわしい漢語調・和語調・カジュアルな例文を豊富に紹介します。

時候の挨拶とは、手紙やメールの書き出しに添える「季節感を伝える一言」です。日本の手紙文化において欠かせない要素であり、相手への気遣いと文章の格調を示します。

4月中旬は「葉桜」「春たけなわ」「惜春」といった言葉で表現される季節です。二十四節気では、4月5日前後の「清明(せいめい)」を経て、4月20日前後の「穀雨(こくう)」へと移る時期にあたります。穀雨は穀物を育てる春雨が降るころを指し、農耕文化と深く結びついた季節の節目です。

4月中旬の時候の挨拶には、次のような特徴があります。

  • 桜の終わりと葉桜の始まり:花から葉へ、春の移ろいを繊細に表現できる
  • 惜春の情感:過ぎ行く春を惜しむ気持ちを込めた格調ある表現が使える
  • 穀雨(4月20日前後):二十四節気を用いた格式ある表現が可能になる
  • 新年度の活動期:入学・入社後の最初のフォーマルな連絡に適した表現が求められる

次章では、漢語調の時候の挨拶を一覧表で確認しましょう。

4月中旬の漢語調 時候の挨拶 8選【一覧表】

漢語調の時候の挨拶は「〇〇の候」「〇〇の折」という形で用いるのが基本です。4月中旬には「春暖(しゅんだん)」「仲春(ちゅうしゅん)」「惜春(せきしゅん)」などが好まれます。これらは改まった公式文書や目上の方への手紙に適しており、相手への敬意を示す格調ある表現です。なお「清明の候」は二十四節気の清明(4月5日前後)に由来するため、中旬にはやや早い場合があります。時期に合った語を選ぶことが大切です。

漢語調の時候の挨拶は「〇〇の候(こう)」という形式が基本です。「候」は「ころ・時期」を意味する格調ある語で、改まった文書や目上の方への手紙に多用されます。4月中旬にふさわしい漢語調の表現を8つ、使用時期・適した文書とともに一覧表にまとめました。

表現 読み方 意味・由来 使用時期 適した文書
春暖の候 しゅんだん 春の暖かさが心地よいこと 4月全般 ビジネス・目上・一般
仲春の候 ちゅうしゅん 春の盛り(旧暦2月=4月頃) 4月中旬 改まった手紙・公文書
惜春の候 せきしゅん 過ぎ行く春を惜しむ心情 4月中旬〜下旬 個人的な手紙・お礼状
陽春の候 ようしゅん 日差しが明るく暖かい春 4月上旬〜中旬 ビジネス・挨拶状
春色の候 しゅんしょく 春らしい色合いや風景 4月全般 お礼状・招待状
麗春の候 れいしゅん うららかで美しい春の日々 4月全般 目上の方・改まった手紙
穀雨の候 こくう 二十四節気・穀物を育む春雨 4月20日前後 ビジネス・一般手紙
春日の候 しゅんじつ 春の穏やかな日和 4月中旬 幅広い場面

各表現の解説と使い方のポイント

春暖(しゅんだん)の候は4月全般を通じて使える汎用性の高い表現です。「春の暖かさが増してきた時期」を意味し、ビジネス文書から個人の手紙まで幅広く活用できます。「春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」が定番の用法です。

仲春(ちゅうしゅん)の候は旧暦の「仲春」(春の中間・旧暦2月)に由来し、現代では4月中旬ごろに使います。三春(初春・仲春・晩春)の「中間」を意味し、春が最も充実したころを示す格調ある表現です。

惜春(せきしゅん)の候は「過ぎ行く春を惜しむ」感情を込めた情緒的な表現。4月中旬から下旬にかけて特に適しており、個人的なお礼状や近況報告の手紙に奥行きを与えます。

穀雨(こくう)の候は二十四節気の「穀雨」(4月20日前後)を用いた表現で、この日以降に使うのが正確です。「穀物を育む恵みの雨が降るころ」という意味で、知性と季節感を示せる表現です。

4月中旬の例文11パターン【漢語調・和語調・カジュアル】

和語調の時候の挨拶は、情景を柔らかく描写する表現です。「葉桜の緑が目にまぶしい季節となりました」「春もたけなわとなり、穏やかな日が続いております」といったように、読む人が情景を思い浮かべられる言葉を選びましょう。改まりすぎず、温かみのある文章を求める場面、たとえばお礼状やお祝い状、近況報告の手紙などに特に適しています。

時候の挨拶の書き出しは、手紙・メールの相手や場面によって使い分けることが大切です。以下の一覧表では「漢語調(5パターン)」「和語調(3パターン)」「カジュアル(3パターン)」の合計11パターンを例文全文とともに示します。

種別 表現パターン 書き出し例文(全文)
漢語調① 春暖の候 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
漢語調② 仲春の候 仲春の候、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
漢語調③ 惜春の候 惜春の候、貴殿ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
漢語調④ 麗春の候 麗春の候、皆様にはご清祥のこととお喜び申し上げます。
漢語調⑤ 穀雨の候 穀雨の候、貴社のご発展を心よりお慶び申し上げます。
和語調① 葉桜の季節 葉桜の緑が目にまぶしい季節となりましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
和語調② 春たけなわ 春もたけなわとなり、清々しい日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
和語調③ 若葉の候 若葉の青さが一段と増すころとなりました。お元気でお過ごしのことと存じます。
カジュアル① 桜が散って 桜も散って、いよいよ新緑の季節ですね。その後お変わりありませんか?
カジュアル② 春本番 春本番、気持ちのいい陽気が続いていますね。元気に過ごしていますか?
カジュアル③ 葉桜シーズン 葉桜がきれいな季節になりましたね。新生活は順調ですか?

漢語調の例文:使い方の詳細

漢語調の時候の挨拶は、ビジネスメールや目上の方への正式な手紙で活躍します。「春暖の候」「仲春の候」「惜春の候」はいずれも4月中旬に適しており、状況に応じて選べます。

書き出し全体の構成は「時候の挨拶+相手の繁栄・健康を祝う言葉」です。たとえば「春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の「ご清栄」は法人向け、「ご清祥」は個人向けが原則です。この区別に注意することで、より丁寧な印象を与えられます。

和語調の例文:情景描写を活かす

和語調は現代語で季節感を描写する表現で、漢語調ほどの格式はありませんが温かみがあります。「葉桜の緑が目にまぶしい季節となりましたが」「春もたけなわとなり、清々しい日が続いておりますが」などは、受け取った相手が情景をイメージしやすい表現です。

お礼状・お祝い状・近況報告など、柔らかいトーンが求められる場面で特に効果的です。

カジュアルな例文:友人・知人向け

メールやLINEで気軽に近況報告をする際は、季節感を感じさせる一言を添えるだけで丁寧な印象になります。「桜も散って、いよいよ新緑の季節ですね」「葉桜がきれいな季節になりましたね」といった表現は、新社会人や転居した友人へのメッセージにもぴったりです。

4月中旬の結びの言葉【相手への気遣い表現】

結びの言葉は、手紙・メール全体の印象を締めくくる重要なパーツです。4月中旬であれば「春の陽気が続く折、どうぞご自愛くださいませ」「新年度のご多忙の中、くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください」などが自然です。書き出しの時候の挨拶と同じトーン(漢語調なら結びも格調ある表現、和語調なら温かな表現)で統一すると、まとまりのある文章になります。

手紙・メールの結びの言葉は、読み手への気遣いを最後に示す重要な要素です。4月中旬にふさわしい結びの言葉を用途別に紹介します。

ビジネス・目上の方向け 結びの言葉

  • 「春暖の折、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。」
  • 「新年度のご多忙の中、くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。」
  • 「春たけなわの候、皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。」
  • 「何かとご多用のことと存じますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。」

一般・個人向け 結びの言葉

  • 「葉桜の季節、どうかお体にお気をつけてお過ごしください。」
  • 「春の陽気が続いております。お体に気をつけてお過ごしくださいませ。」
  • 「季節の変わり目、どうぞご自愛ください。またお会いできる日を楽しみにしております。」

カジュアル向け 結びの言葉

  • 「春の良い季節、元気で過ごしてね。また連絡しましょう!」
  • 「葉桜がきれいな季節、どうかお元気で。近いうちに会いたいですね。」

4月中旬の手紙・メールの書き方【全体構成と実例】

4月中旬の手紙・ビジネスメールの全体構成を実例でご紹介します。

ビジネスメール実例(取引先へのご挨拶)

件名:春のご挨拶

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

拝啓 春暖の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

このたびは〇〇の件につきまして、ご丁寧なご連絡をいただきありがとうございました。(本文)

新年度のご多忙の折ではございますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

敬具

個人の手紙実例(友人への近況報告)

葉桜の緑が目にまぶしい季節となりましたね。お元気でお過ごしでしょうか。

私はおかげさまで新しい環境にもようやく慣れてきました。(本文)

春の良い季節、どうかお体に気をつけてお過ごしください。またお会いできる日を楽しみにしています。

4月中旬の時候の挨拶:月別・旬別の関連ページ

4月の時候の挨拶をさらに詳しく知りたい方は、以下の関連ページもご参照ください。

よくある質問(FAQ)

「惜春の候」はいつ使うのですか?

「惜春の候」は春が過ぎ去ろうとする4月中旬から下旬にかけて使うのが最適です。桜の花が散り、葉桜に移りゆくこの時期に「過ぎ行く春を惜しむ」情感を込めた格調ある表現として活用できます。ビジネス文書よりも個人的な手紙やお礼状で特に効果的です。

「仲春の候」と「晩春の候」の違いは?

「仲春(ちゅうしゅん)の候」は春の盛り(4月中旬ごろ)に使い、「晩春(ばんしゅん)の候」は春の終わり(4月下旬〜5月上旬ごろ)に使います。旧暦の三春(初春・仲春・晩春)に由来する区分で、時期をきちんと踏まえて使い分けることが丁寧な文章につながります。

4月中旬のビジネスメールに「穀雨の候」は使えますか?

「穀雨(こくう)の候」は二十四節気の穀雨(4月20日前後)以降に使うのが正確です。4月中旬のうち20日以降なら使用可能ですが、11〜19日ごろのメールには「春暖の候」「仲春の候」などの方が自然です。正確な時期を意識することで、相手により丁寧な印象を与えられます。

「ご清栄」と「ご清祥」はどう使い分けますか?

「ご清栄」は主に法人(会社・団体)宛てに使い、「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」の形が基本です。「ご清祥」は個人宛てに使い、「ご健勝・ご清祥のこととお喜び申し上げます」が定型表現です。相手が法人か個人かを確認して使い分けましょう。

和語調と漢語調、どちらを選ぶべきですか?

漢語調(「〇〇の候」形式)は格式が高く、公式文書・ビジネス文書・目上の方への手紙に適しています。和語調(「〜となりました」形式)は温かみがあり、個人的な手紙・お礼状・近況報告に向いています。相手との関係性・手紙の目的・文全体のトーンに合わせて選ぶのがベストです。迷ったらビジネスには漢語調、プライベートには和語調を基本にするとよいでしょう。

監修: 時候の挨拶|例文・結びの言葉・季語がわかる 編集部

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