公開日: 2026年4月7日
3月上旬(1〜10日)は、ひな祭り(3月3日)と啓蟄(3月6日頃)が重なる、春本番への期待が高まる季節です。「早春の候」「啓蟄の候」「弥生の候」など、春の始まりを告げる豊かな表現が揃っています。
この記事では、3月上旬の時候の挨拶を漢語調・和語調・カジュアルに分けて11パターン紹介し、手紙・メール・ビジネス文書別の使い分けを詳しく解説します。
3月上旬の時候の挨拶 一覧表(漢語調8選)
3月上旬(1〜10日)は、梅の花が見ごろを迎えながら、3月3日のひな祭り、3月6日頃の啓蟄と行事が続く季節です。「早春の候」「啓蟄の候」「弥生の候」など、春の始まりを告げる時候の挨拶が多く使われます。まだ朝晩は肌寒い日もありますが、日差しは確実に温かくなり、季節の移ろいを感じる月の始まりです。
| 表現 | 読み方 | 意味・特徴 | 使用時期 | 適した文書 |
|---|---|---|---|---|
| 早春の候 | そうしゅんのこう | 春の始まりを表す汎用的な表現 | 3月全般 | 手紙・ビジネス文書 |
| 啓蟄の候 | けいちつのこう | 二十四節気「啓蟄」から。虫が冬眠から目覚める頃 | 3月6日頃〜 | 改まった手紙 |
| 弥生の候 | やよいのこう | 旧暦3月の呼称。和風で趣のある表現 | 3月全般 | 格調高い手紙 |
| 春色の候 | しゅんしょくのこう | 春らしい景色・雰囲気を表す | 3月全般 | 手紙・メール |
| 春陽の候 | しゅんようのこう | 春の明るい日差しを表す | 3月上旬〜中旬 | 手紙・メール |
| 春暖の候 | しゅんだんのこう | 春の温かさを表す | 3月全般 | 手紙・ビジネス文書 |
| 春分の候 | しゅんぶんのこう | 春分を迎えた頃。昼夜が等しくなる | 3月20日頃〜 | 手紙・ビジネス文書 |
| 梅花の候 | ばいかのこう | 梅の花が咲く頃。华やかな表現 | 3月上旬まで | 手紙・メール |
書き出し例文 11パターン(漢語調・和語調・カジュアル)
3月上旬の書き出し例文を選ぶ際は「春の始まりの喜び」を表現することがポイントです。「早春の候」は3月を通して使える万能表現ですが、特に3月上旬には最もよく使われます。3月6日頃に啓蟄を迎えたら「啓蟄の候」を使うと季節感が際立ちます。ひな祭り(3月3日)前後に送る手紙には「弥生の候」「梅花の候」など、やわらかく春らしい表現がよく合います。
| 種別 | 表現パターン | 書き出し例文(全文) |
|---|---|---|
| 漢語調① | 早春の候 | 早春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。 |
| 漢語調② | 啓蟄の候 | 啓蟄の候、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
| 漢語調③ | 弥生の候 | 弥生の候、貴社のご清栄をお慶び申し上げます。 |
| 漢語調④ | 春陽の候 | 春陽の候、皆様のご健勝とご活躍をお慶び申し上げます。 |
| 漢語調⑤ | 梅花の候 | 梅花の候、ご清祥のこととお慶び申し上げます。 |
| 和語調① | 春めいてまいりました | 春めいてまいりましたが、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 |
| 和語調② | 虫たちが動き出す | 虫たちが冬眠から目覚める頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 |
| 和語調③ | ひな祭りを迎え | ひな祭りを迎え、春の訪れを感じる頃となりましたが、お元気でしょうか。 |
| カジュアル① | 春らしくなってきましたね | すっかり春らしくなってきましたね。お元気ですか? |
| カジュアル② | ひな祭りですね | もうすぐひな祭りですね。いかがお過ごしでしょうか。 |
| カジュアル③ | 啓蟄を過ぎて | 啓蟄を過ぎ、虫たちも動き出す季節になりましたね。お変わりありませんか? |
結びの言葉
3月上旬の結びの言葉は「春の訪れを喜ぶ」気持ちを表現するのが自然です。「春暖の折、ご健康とご活躍をお祈り申し上げます」「春の訪れとともに、いっそうのご発展をお祈り申し上げます」など、前向きで温かみのある表現が3月上旬にふさわしいです。冬の終わりへの安堵と春の喜びを込めた言葉を選びましょう。
改まった手紙・ビジネス文書向け
・早春の折、ご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
・春暖の候、貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
・春の訪れとともに、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
・新年度に向けてのご多幸をお祈り申し上げます。
やわらかい表現(メール・親しい相手)
・春の日差しが温かくなってきましたね。またお会いできることを楽しみにしています。
・桜の便りが待ち遠しいですね。お体には気をつけてお過ごしください。
・春の訪れとともに、良いことがたくさんありますように。
啓蟄とひな祭りについて
「啓蟄(けいちつ)」は二十四節気のひとつで、「蟄(冬眠している虫)が啓く(土から出てくる)」という意味です。3月6日頃に訪れ、「大地が目覚める」春の象徴的な節気です。「啓蟄の候」を使うと、季節の知識の深さが伝わり、受け取った相手に洗練された印象を与えます。ただし使えるのは啓蟄の日(3月6日頃)以降なので、日付に注意しましょう。
ひな祭り(3月3日): 桃の節句とも呼ばれ、女の子の健やかな成長を願う伝統行事です。「桃の節句を迎え、春の気配が漂う頃となりました」という書き出しも3月上旬らしい表現です。手紙に「お子様のご健やかな成長をお祝い申し上げます」を添えると心のこもった便りになります。
ひな祭りの後は、いよいよ卒業シーズンや年度末が近づきます。3月上旬は「まだ春になりきっていないが、春への期待が膨らむ」時期として、希望と前向きさを込めた時候の挨拶を選びましょう。
具体的な使用シーン別 例文
シーン1: 取引先への挨拶状
早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
シーン2: ひな祭りのお祝い
弥生の候、お子様の桃の節句を心よりお祝い申し上げます。春の訪れとともにますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
シーン3: 目上の方への手紙
啓蟄の候、先生にはいよいよご健勝のこととお慶び申し上げます。虫たちが目を覚ます頃、先生もお変わりなくお過ごしのことと存じます。
シーン4: 友人への近況報告
すっかり春めいてきましたね。こちらは家族一同元気に過ごしています。ひな祭りに飾ったお雛様もとても華やかで、春の到来を感じます。
シーン5: ビジネスメール
春めいてまいりました。いつもお世話になっております。このたびは新年度のご案内についてご連絡申し上げます。
内部リンク・関連記事
3月の時候の挨拶については、以下の記事もあわせてご覧ください。
・3月の時候の挨拶 まとめ(全旬・TOP記事)
・3月中旬の時候の挨拶|春分・卒業シーズンの例文
・3月下旬の時候の挨拶|お彼岸・年度末の例文
・3月ビジネス向け時候の挨拶|年度末・卒業シーズン対応
・2月下旬の時候の挨拶|雨水・春暖の例文
参考資料・出典
・国立天文台 二十四節気(啓蟄について)
・文化庁 国語・日本語(手紙文の書き方)
よくある質問(FAQ)
3月上旬の時候の挨拶で最もよく使われる表現は何ですか?
3月上旬では「早春の候」が最もよく使われます。3月を通して使える汎用的な表現で、改まった手紙にもメールにも使えます。啓蟄(3月6日頃)を過ぎたら「啓蟄の候」を使うと季節感が際立ちます。メールや親しい相手には「春めいてまいりました」「梅の便りが届く頃となりました」などの口語調も広く使われます。
「啓蟄の候」はいつから使えますか?
「啓蟄の候」は二十四節気の啓蟄の日(毎年3月6日頃)から使えます。「蟄(冬眠している虫)が啓く(土から出てくる)」という意味なので、啓蟄の日以前に使うと意味と日付がずれてしまいます。3月1〜5日ならば「早春の候」「弥生の候」が適切で、3月6日以降は「啓蟄の候」も使えます。
ひな祭り(3月3日)の手紙に時候の挨拶はどれが合いますか?
ひな祭り(3月3日)前後には「弥生の候」「梅花の候」「早春の候」が合います。「弥生の候」は旧暦3月の呼び名「弥生」からの表現で、和風で趣があります。口語調では「桃の節句を迎え、春の気配が漂う頃となりました」が季節感とひな祭りの両方を表現できる一文です。
「弥生の候」とはどういう意味ですか?いつ使えますか?
「弥生(やよい)」は旧暦3月の呼び名で、「草木がいよいよ生い茂る月」という意味を持ちます。「弥生の候」は3月全般で使える表現ですが、特に3月上旬〜中旬に多く使われます。文学的・古風なニュアンスがあり、趣のある格調高い手紙に適しています。
3月上旬の結びの言葉でよく使われる表現を教えてください。
3月上旬の結びには「春暖の折、ご健康とご活躍をお祈り申し上げます」「春の訪れとともに、いっそうのご発展をお祈り申し上げます」が定番です。年度末・卒業シーズンを意識するなら「新しいスタートに向けて、ますますのご健勝をお祈り申し上げます」も3月らしい表現です。ビジネスメールなら「引き続きよろしくお願いいたします」という簡潔な結びでも問題ありません。
監修: 時候の挨拶|例文・結びの言葉・季語がわかる 編集部
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